「日本女子代表合宿」（１７日、鳥栖市内）

　親善試合・ニュージランド戦（２０日・ベアスタ＝鳥栖）に向けて鳥栖市内で合宿をスタートし、軽めのメニューで約１時間半ほど調整を行った。昨夏のロンドン五輪以来の代表復帰となった、チーム最年長の澤穂希（３４）＝ＩＮＡＣ神戸＝は「初めて選出されたつもりでどん欲にやる」と“原点回帰”を宣言。ニュージーランド戦後、１８人に絞られる欧州遠征メンバー入りにも強い意欲を示した。

　切れ長の瞳に、新たな炎が宿った。前日のリーグ杯出場を受け、回復メニューのみをこなした澤が、あらためて代表への思いを語った。「Ｗ杯や五輪が終わればそういうの（意欲低下）もあると思われるかもしれないですけど、意識は高いですよ」。銀メダルに終わったロンドン五輪決勝から３１２日。澤がなでしこジャパンに帰ってきた。

　初の代表選出となった９３年から２１年目。Ａマッチ出場は男女通じて歴代最多の１８０試合を数えるが、それでも誓うのは原点回帰だ。「代表には指定席はない。普段の練習から全力でやらないと。初心に帰って、貪欲にやりたい」。代表メンバー発表時に佐々木監督が「確認したい」と語っていた、再び代表で世界と闘う気持ちについても「必ず次の目標も見つかります」と気合を込めた。

　ニュージランド戦後に欧州遠征のメンバー１８人が発表される。佐々木監督は全２５人が横一戦であることを強調しているが澤は「イングランドにはＷ杯で０‐２で負けた。リベンジという意味で（気持ちを）ぶつけたい」と、早くも腕ぶしている。

　「代表でしか会えないメンバーもいるし、今日も雰囲気が良かった。いいスタートになった」。まだまだ後進に道を譲るつもりはない。ロンドン・ウェンブリーで止まっていた「なでしこ澤」の時計が、再び動きだす。