澤、315日ぶり復帰戦も不満ドロー
「女子国際親善試合、日本1‐1ニュージーランド」(20日、ベアスタ)
女子日本代表(なでしこジャパン)は20日、親善試合・ニュージーランド戦を行い、1‐1で引き分けた。前半21分にFW大儀見優季(25)=ポツダム=が先制点を決めるも、前半終了間際には主将MF宮間あや(28)=岡山湯郷=が退場。後半38分に被弾して追いつかれた。MF澤穂希(34)=INAC神戸=は、昨夏のロンドン五輪以来の復帰戦となったが、決定的なプレーはできずに後半14分に途中交代。ほろ苦い復帰戦となった。
ロンドン五輪決勝から315日。MF澤の代表復帰戦は、ほんの少しほろ苦いものとなった。背番号10を背負い定位置のボランチで先発出場したものの効果的に攻撃に絡むことはできず。シュートは0本で終わった。前半37分にはイエローカードをもらい、後半14分にはDF田中に代わりピッチを後にした。
「正直しんどい試合でした。けっこう疲労もあったことで、次のプレーの判断が遅かったりもした。できればベストコンディションでやりたかったです」。試合後は穏やかな笑みを浮かべたが、悔しさを押し隠すことはできなかった。
16日になでしこリーグ杯に出場し、翌日に代表合宿に合流。男子大学生も交えた紅白戦なども経て疲労は蓄積していき、体の重さは誰の目にも明らかだった。佐々木監督も「ボールを奪える間や勘が戻っていない」と本調子ではないこと強調した。ニュージーランド監督が「澤はクワイエット(静か)だった」と語ったように、ピッチで存在感を示すことはできなかった。
チームも後半38分に同点に追い付かれ、復帰戦を勝利で飾ることはできなかった。「失点0でいきたかった」。18人に絞られる欧州遠征へのメンバー入りは確実だが、「代表でやることには特別な思いがある」。澤の日の丸への思いはまだ、燃え尽きてはいない。