なでしこ力負け ドイツに4失点完敗
「女子国際親善試合、ドイツ4-2日本」(29日、ミュンヘン)
サッカー女子のなでしこジャパンは、国際親善試合でドイツに2‐4で敗れた。0‐1で迎えた前半40分にFW大野忍(29)=リヨン=が同点ゴール。後半開始早々にPKで失点したが、同15分にFW大儀見優季(25)=ポツダム=の得点で再び追いついた。しかし、終盤の連続失点で力尽きた。今回の欧州遠征では1分け1敗に終わったなでしこジャパンは、20日から韓国で行われる東アジアカップで大会3連覇に挑む。
完全に力負けだった。簡単なパスミスでボールを失い、ゴール前での守備も緩く4失点。2年前にドイツを倒した強さも、勢いも、今のなでしこにはなかった。
後半15分に2度目の同点ゴールを決めたエースの大儀見は「サブの選手も含め、個の選手の質やプレーの精度を上げないと、世界トップレベルにチーム力で上回れない、それが大きな差になっている」と分析。チームメートらに個のレベルアップを求めた。
4万6104人という欧州での女子の親善試合としては、最多入場者数記録となった大観衆の雰囲気にのまれたのか、序盤から日本は動きが鈍かった。それでも何とか2度も同点に追いついた。その中で大儀見は一人際立って、レベルの違いを見せつけた。だが中盤からの効果的なビルドアップが少なく、肝心のゴールはこぼれ球を押し込んだ1点だけだった。
「ドイツは若くていい選手がたくさん出てきた。世代交代ができている。でも日本は…」
こんな調子では2015年W杯カナダ大会で2連覇は無理だと感じている。大儀見節が鳴る。
「一人一人が意識を高く持ってこだわっていくしかない。相当に意識を高く持ってやらないと、質は上がない」
今回の遠征から思うことがあったら、意見していこうと決めたという大儀見。それもエースとしての務めだと信じている。