「アルガルベ杯・１次リーグ、日本１-０デンマーク」（７日、パルシャル）

　Ｂ組第２戦で日本代表「なでしこジャパン」はデンマークを１‐０で下し、１勝１分けの勝ち点４とした。前半４３分にＦＷ岩渕真奈（２０）＝ホッフェンハイム＝が決勝点を奪った。１０日の第３戦で勝ち点６のスウェーデンに勝てば同組１位で決勝に進出する。スウェーデンは２０１２年ロンドン五輪金メダルの米国を１‐０で破って２連勝とした。

　若手主体の先発起用に応え、なでしこジャパンに価値ある決勝点をもたらした。敵陣にスペースが生まれ始めた前半４３分。岩渕が右からドリブルで２人をかわして進入し、右足の強烈なシュートでネットを揺らした。「本当にほっとした。チームに貢献できて良かった」と代表で４年ぶりの得点に笑顔を輝かせた。

　１６歳で代表デビューした２０１０年の東アジア選手権で２得点したが、その後はゴールに嫌われた。米国との１２年ロンドン五輪決勝では終盤に投入され、同点機を外して涙を流した苦い経験もある。「結構気にしていた」と苦しかった胸の内を吐露した。

　五輪後にドイツのクラブに移籍し、心身ともにたくましくなった。「常に脚の長い相手とやって」おり、この日は「そこまでやりにくさはなかった」。ゴールの場面以外も力強い突破を見せ、体格のいいデンマークの守備陣を慌てさせた。

　試合前に佐々木監督から「頭がオフになったら（動きが止まって）使い物にならないぞ」とハッパを掛けられ、攻守にわたる運動量を求められた。発奮した背番号１６は好結果を出し、世代交代の象徴となるべく「自分がやらなきゃいけない。上の人たちにも負けないようにやらないと」と言葉に力を込めた。