なでしこ W杯連覇へ弾み星 鮫島V弾

 「女子国際親善試合、カナダ2-3日本」(28日、エドモントン)

 来夏の女子W杯決勝会場で行われ、世界ランク3位の日本代表は8位のカナダ代表との第2戦に3-2で競り勝った。年内最後の活動を2連勝で飾り、2連覇を狙う女子W杯に弾みを付けた。日本は前半33分にMF永里亜紗乃(25)=ポツダム=が代表初ゴールを挙げ、後半32分にはFW大儀見優季(27)=チェルシー=が決め、終了間際にMF鮫島彩(27)=仙台=が決勝ゴールをたたき込んだ。

 なでしこが土壇場で真骨頂を発揮した。後半ロスタイムに同点とされた直後、鮫島が相手のミスを突いて決勝点を奪う劇的勝利。佐々木監督は「W杯の決勝のスタジアムらしいファンタスティックな展開だった。(W杯で)また、このピッチに戻ってきたい」と冗舌に話した。

 3-0で勝った25日の第1戦から先発を9人入れ替えた。永里の代表初ゴールで先制し、後半に主力を次々と投入した。永里の姉で、エースの大儀見が1-1の後半32分に勝ち越し点。再び失点したが、ここでベテランの嗅覚が働いた。

 司令塔の宮間は「最後に1本あると信じた」と、左MFに入った俊足の鮫島を前線に上がらせた。鮫島はパスの処理にもたついた相手に猛然と詰めてボールを奪い、そのまま持ち込んで右足で冷静にシュート。第1戦で故障から代表復帰したばかりで「ボールを持ってから10秒ぐらいあったように感じた。入ってよかった」と笑みを浮かべた。

 年内最終戦を2連勝で締めくくった。人工芝のピッチも経験し、佐々木監督は「いろんな意味で勉強になった。来年のW杯につなげたい」と、力強い口調だった。

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