佐々木監督ラス闘「勝負こだわる」
「サッカー女子・リオデジャネイロ五輪アジア最終予選、日本-北朝鮮」(9日、キンチョウスタジアム)
リオデジャネイロ五輪本大会出場の可能性が消滅したサッカー女子日本代表は8日、北朝鮮戦に向けて、堺市内で冒頭以外を非公開とする練習を行った。予選後の退任が確実となった佐々木則夫監督(57)にとって、北朝鮮は、自身の初陣となった08年2月の東アジア選手権(重慶)初戦で対戦した相手。最後の采配を白星で締めくくる。
ラストゲームは、運命的な巡り合わせとなった。4大会連続5度目の五輪出場が途絶え、今予選後の退任が確実となった佐々木監督は「感慨は別にない。こういう仕事をやっていれば、いずれそういう時期が来る」と淡々と話した。
北朝鮮は、くしくも佐々木体制初陣の相手。08年2月18日の東アジア選手権の初戦で対戦し、劇的な逆転勝ちを収めた。「厳しい試合の中で、常に学べることがある相手」と、宿敵との数々の激戦を思い起こした。
消化試合となった一戦にも「任された以上は、常に勝とうと思っている。代表として戦う意義をかみしめ、勝負にこだわりたい」と、勝利への強い思いを口にした。将来を見据え、若手を優先的に起用する可能性も残るが「スタートで出た選手が決めて、余力を持ってそういう(若手)選手を使うのが理想」と、ベストに近い布陣で臨むことも示唆した。
初戦のつまずきから狂った歯車は、8年間率いた佐々木監督ですら修正を図ることは不可能だった。監督就任から125試合目。「コーチ時代も含めて、9年間一緒にやって、いろんな経験をさせてもらい、学ぶことも多かった」と、FW大儀見は感謝の言葉を並べた。最後は一枚岩となって、指揮官の有終を締めくくる。