岩渕、希望弾 バトン受け取った!
「サッカー女子・リオデジャネイロ五輪アジア最終予選、日本1-0北朝鮮」(9日、キンチョウスタジアム)
日本代表「なでしこジャパン」が北朝鮮を1-0で下し、最終戦を勝利で飾った。既に五輪出場の可能性は消滅していたが、主将のMF宮間あや(31)=岡山湯郷=のクロスをFW岩渕真奈(22)=バイエルン・ミュンヘン=が頭で合わせて先制。その1点を守り切った。五輪には1位オーストラリアと2位の中国が出場し、日本は勝ち点7の3位で大会を終えた。
苦難を乗り越え、栄光の道を築き上げてきた者から、これからのなでしこジャパンを背負っていく者へ-。なでしこジャパンのラストマッチは、代表の中心として戦ってきた宮間と、次世代を担う岩渕で締めた。スコアレスで迎えた後半35分、まるでバトンを渡すかのような美しいゴールで試合を決めた。
左サイドでボールを持った宮間は「大儀見がニアでつぶれてくれたので、奥に見えた」と、遠いサイドで待ち構える岩渕へ魂のクロス。落下点に入った22歳が、冷静に頭で押し込んだ。代表引退が濃厚な宮間は「自分たちは努力を怠らず、勝つためのサッカーをやってきた」と振り返る。今大会チーム最多3得点の岩渕は「いいボールをあげてもらって感謝しています。勝って終われて良かった」と目を潤ませて喜んだ。
17歳で11年W杯ドイツ大会優勝を経験して以来、なでしこジャパンの中心選手となった岩渕は、先輩たちから歓喜の味と国を背負う責任を教えてもらった。「経験値だけは他の選手に比べたら高い。もうちょっと、ピッチでしっかり証明できるようになりたい」
4年後、26歳で迎える東京五輪へ「個人的には目指したい。出るだけじゃなく、その先をつかめる大会にしたい」と、なでしこ復活を全世界にアピールするつもりだ。バトンは受け取った。新生なでしこの中心には、頼もしくなったエース岩渕が君臨する。