佐々木前監督なでしこ11年間「宝物」
サッカー女子日本代表を11年W杯での初優勝に導き、リオデジャネイロ五輪出場を逃して監督を退任した佐々木則夫氏(57)が18日、都内で会見した。08年からチームを率いた同氏は「大切なリオデジャネイロ五輪は逃してしまったが、(コーチ時代を含め)充実した11年間を指導者として経験できたのは宝物」などと心境を語った。
晴れやかな表情だった。まばゆいばかりのカメラのフラッシュを浴びた佐々木氏は、丁寧に言葉を紡いだ。「リオの結果が出なかったことには、日に日に痛切な思いもあるが、選手、協会、サポーターの皆さん、メディアの方と接したいろんなことが財産」。笑顔で謝意を語り続けた。
リオの出場権を逃し、10日に大仁会長に辞意を伝えた。銀メダル獲得した12年ロンドン五輪以降は、世界の女子サッカー界の目まぐるしい変化に苦しんだものの、11年ドイツW杯優勝など、なでしこジャパンの一時代を築いた。
ともに戦ってきた選手には「若干、頼りなさそうな私だったけど、よくこれまでついてきてくれた。選手たちの包容力、頼もしさを感じながらやれた」と感謝した。家族に対しても「W杯で優勝した時に、妻がスタジアムで腰を抜かした。それぐらい緊張とエネルギーをつかって応援してくれた家族には感謝したい」と語った。
今後については「真っ白な状況」と未定だが「どんな形でも女子サッカーに寄与したい」と、自らの経験を還元する意向を示した。