西野“元サヤ”ジャパン やっぱりビッグ3は外せなかった…史上最高28・3歳
日本サッカー協会は5月31日、都内のホテルで会見を開いてW杯ロシア大会(6月14日開幕)に臨む日本代表メンバー23人を発表した。西野朗監督(63)は選考基準について、大会を通じて幅広い戦い方ができるメンバーを選んだと明かし、経験豊富な選手でチームを構成。MF本田圭佑(31)=パチューカ、FW岡崎慎司(32)=レスター、MF香川真司(29)=ドルトムント=のビッグ3もメンバー入り。開幕時の平均年齢では過去最高の28・3歳となった。MF井手口陽介(21)=クルトゥラル・レオネサ、FW浅野拓磨(23)=シュツットガルト、MF三竿健斗(22)=鹿島=の3人が外れた。
どよめきや、驚きの声は最後まで上がらなかった。過去、サプライズでの選出、落選など、多くのドラマを生んできたW杯メンバー発表会見。だが、西野監督が淡々と23人のメンバーを読み上げていく中で、合計286人の報道陣が駆けつけた会見場がざわつくことはなかった。
ノーサプライズ。これが西野監督が選んだ結論だった。選考のポイントとなった点について、指揮官は「大会に臨むに当たって、対戦国含めていろんなプランを立てる。いろんな状況を考えた中で選手たちの、どれだけ(実際の試合を想定した)絵を描けるか。その中に選手がどう入ってくるか、それをたくさん持ちたいというのは指導者が思うこと」と説明する。
そんな西野ジャパンを現すキーワードが“対応力”だ。就任から約1カ月半。それ以前も技術委員長としてチームに帯同はしていたが、本大会で対峙(たいじ)する3カ国への、具体的な戦い方はまだ模索中。それだけに「いろんな状況の中で日本のサッカーが通用できる部分、通用できない部分、コントロールできる部分、できない部分は間違いなく起こってくる。そういう『対応力』を選手たちに求めたい」。多くの選手が4年前のブラジル大会と同じ顔ぶれで、W杯代表史上、最も平均年齢が高い28・3歳となった理由がそこにある。
豊富な経験、過去の実績、ガーナ戦でのメンバー選考時にも挙がったポリバレントという言葉を重視する理由は、『対応力』という点に集約される。「日本の選手の良さっていうのは対応力が非常に速いというのがあるので。グループで仕事をすることに対する理解度は高い。そういう良さのある選手たちをセレクトした」。就任当初から話していた「日本らしいサッカー」として、西野監督が出した一つの答えだった。
定める目標は「グループステージは抜けたい」と16強に設定。そして、まずは初戦のコロンビア戦での勝利を見据える。「初戦のコロンビアに対して、強く日本代表チームが入っていける。あのコロンビアを倒す、今は小さな奇跡かもしれませんが(目標に)持ちたい。その中で選手たちの活躍を願う、期待する。そこを求めていきたい」。さいは投げられた。初戦まで、残り18日。そのすべてを勝利に向けてささげる時間が来た。