ケーンが2発!24歳主将が「母国」救った イングランド2大会ぶり復活星

 「ロシアW杯・G組、チュニジア1-2イングランド」(18日、ボルゴグラード)

 頼れるエースがでっかい仕事をやってのけた。イングランドは3大会ぶりに出場のチュニジアを2-1で下し、2大会ぶりの勝利。主将のFWハリー・ケーン(24)=トットナム=が決勝ゴールを含む2得点と活躍した。イングランド代表でW杯の1試合2得点は、1990年イタリア大会のFWガリー・リネカー以来。古豪復活へ、サッカーの母国が確かな一歩を踏み出した。

 左胸にあるイングランド代表のエンブレムを誇らしげに引っ張り、声にならない叫びを上げた。後半ロスタイム。粘るチュニジアを振り払う一撃に、FWケーンは込み上げる感情を爆発させた。駆け寄ってくるチームメートと抱き合い、勝ち越し弾の歓喜に酔う。「最後まで努力し、最後に1点を奪えた」。これまで積み重ねてきたゴールとは全く異質の充実感が、その身を支配した。

 これぞエースの仕事を果たした。

 まずは前半11分。左CKからのこぼれ球を押し込み、先制点を奪う。その後は相手の堅い守備に苦戦し、誰もが引き分けを覚悟した終了間際。今度は右CKから味方が競ってコースが変わったボールをしっかりと頭で押し込み、ゴールネットを揺らした。イングランド代表のW杯1試合2得点は1986年メキシコ大会で得点王に輝いたFWリネカーが、90年大会で達成して以来。初出場の24歳がいきなりレジェンドに肩を並べた。

 イングランド・プレミアリーグで2年連続の得点王。188センチの長身で、左右両足とも巧みに操る万能型ストライカーだ。あだ名は「ハリケーン」。卓越した技術と抜群の得点嗅覚で相手DFを混乱に陥れるプレーぶりからそう呼ばれる。勝利委に導いた2得点はまさに面目躍如。主将を託され、開幕前に「驚きだった」と明かしたが、重責を見事に力に変えた。

 サッカー発祥の地とされ、66年イングランド大会で優勝した古豪。だが前回ブラジル大会では1勝もできずに1次リーグ最下位で敗退するなど、近年は苦戦が続く。ケーンら若手が台頭し、母国復権を誓う今大会。初戦で勝ち点3を取れた事実は、チームにとって大きな自信となる。

 それでも試合後のケーンに笑みは少ない。「まだ戦い続けなければならない」。気持ちを切り替え、パナマとの次戦を見据えた。C・ロナウド(ポルトガル)、メッシ(アルゼンチン)らとともに得点王候補にも名前が上がる背番号9。もっともっとゴールをたたき込み、イングランド代表に「新時代」をもたらす。

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