「ロシアＷ杯・Ｈ組、コロンビア１－２日本」（１９日、サランスク）

　“サランスクの奇跡”が起きた。２０１０年大会以来２大会ぶりの決勝トーナメント進出を目指す日本は、前回大会ベスト８のコロンビアとの初戦に２－１で勝利した。前半６分にＭＦ香川真司（２９）＝ドルトムント＝がＰＫを決めて先制。１－１の後半２８分、ＦＷ大迫勇也（２８）＝ブレーメン＝が左ＣＫから頭で勝ち越しゴールを決めた。チーム一丸でつかんだ歴史的な勝利。西野ＪＡＰＡＮが最高のスタートを切った。

　最後の最後で体を張る執念、代表としての意地だけは９０分間貫き続けた。個の能力に秀でたコロンビアに対し、熱い闘志とクールな判断で、日本は１点のリードを守り抜いた。

　“急造ライン”が安定感を見せた。Ｗ杯予選１８戦全試合に出場した不動のセンターバック吉田の相方は、ハリルホジッチ監督が抜てきし、西野監督も使い続けたＤＦ槙野ではなく、最後の強化試合となったパラグアイ戦で好守を見せたＤＦ昌子。それでもトライとカバーのバランスよく、互いに守備ラインを統率。「基本は悪くなかった」と吉田が振り返ったように、落ち着いた試合運びを見せた。

　唯一の失点は直接ＦＫ。地面をはうように、ゴール右隅をついたシュートをＧＫ川島が両手でストップするも、時既に遅かった。「壁の下を越えた瞬間、厳しいと思った」と川島。「セットプレーの失点は引き続きの課題」と吉田が指摘したように、壮行試合からセットプレーでの失点が続いている。この日もゴール前でフリーの選手が目立つなど、改善点は明確だ。

　「（コロンビアの）個の力は強かったけど、最後に体を張れてよかった」と川島。前からボールを追い、コンパクトに守る。全員で走り抜いて得た自信は、ここからの戦いにおいても大きな収穫だ。「次はクリーンシート（完封）できるように頑張りたい」と吉田。小さなほころびを繕いながら、今後の躍進へとつなげる。