メッシ 終幕 4度目のW杯も優勝に届かず マラドーナ氏声援も…アルゼンチン敗退
「ロシアW杯・1回戦、フランス4-3アルゼンチン」(30日、カザン)
決勝トーナメント1回戦が始まり、1次リーグC組を1位で突破したフランスが4-3でD組2位で前回準優勝のアルゼンチンを下した。FWキリアン・エムバペ(19)=パリ・サンジェルマン=が2ゴールを挙げた。アルゼンチンのFWリオネル・メッシ(31)=バルセロナ=はこの試合無得点に終わり、自身4度目のW杯も優勝には届かなかった。
壮絶な打ち合いだった。1-1の後半3分、FWメッシはFKからのこぼれ球をペナルティーエリア内右で受けると、くるりと反転して左足でシュート性のラストパス。DFメルカドが角度を変えてゴールに流し込んだ。
勝ち越しに成功したアルゼンチンだが、すぐさまフランスの逆襲に遭う。同12分にDFパバールに同点弾を許すと、同19、23分にはFWエムバペに2ゴールを食らう。無情な展開に背番号10は思わず、天を仰いだ。
ともにW杯優勝経験がある強豪同士の対決。「間違いなく非常にタフなゲームになる」。メッシ自身、こう意気込んで臨んだ一戦だった。
アルゼンチンは勝った1次リーグ3戦目のナイジェリア戦と同じ、4-3-3の布陣。メッシは当時の左ウイングからこの日はセンターに入った。だが相手MFカンテの密着マークを受けて、自由を奪われた。
後半開始前、メッシは円陣を組むような形で喝を入れた。あまり見せない熱い姿勢でチームを鼓舞した。MFバネガは「われわれには常に勝利のことを考えているリーダーがいる」と主将への信頼を口にする。
1986年メキシコ大会、ディエゴ・マラドーナ氏はW杯制覇に導き、“神”と称された。“神の子”メッシが集大成と位置づけた4度目のW杯。見据えたのはそれ以来の頂点。悲願には、またもたどり着くことはなかった。