ルカク、E・アザール、デブルイネ…圧巻攻撃陣ベルギーを分析
「ロシアW杯・1回戦、ベルギー-日本」(2日、ロストフナドヌー)
FIFAランク3位の強豪、悲願の初優勝も視野に入れているベルギーの今大会の足取りを振り返り、日本戦を展望する。
【第1戦】○3-0パナマ(得点者)メルテンス=後2分、ルカク=後24分、後30分
メルテンス、E・アザールが強烈なシュートを放つもパナマGKの好セーブもあり、前半はゴールを奪えなかった。しかし、後半すぐにエリア内で浮き球がこぼれてきたところをメルテンスが右足でボレーシュート。ドライブ回転がかかったボールは鋭く落ちてパナマゴールのネットを揺らした。
エースFWルカクの1点目は、司令塔デブルイネが左サイドから上げたクロスにダイビングヘッドで合わせたもの。流れの中で右足のアウトサイドでゴールから離れていくボールを蹴るという卓越した技術を見せつけた。ルカクの2点目は守備ラインの裏をついて抜け出してから、ボールを浮かせてGKを抜いた。スピード、技術、パワーすべてを兼ね備えたストライカーであることが改めて確認できる。
【第2戦】○5-2チュニジア(得点者)E・アザール=前6分、後6分、ルカク=前16分、前+3分、バチュアイ=後45分
試合開始早々に突破力のあるE・アザールがエリア内に進入するやいなや倒されてPKをゲット。これを自ら決めて先制した。
ルカクの1点目は速攻から。メルテンスから離れるように斜めに動いてエリア内にポジションをとったルカクがメルテンスからのパスを受け、相手の股を抜く左足シュートでゴール右隅に流し込んだ。
チュニジアのセットプレーからヘディングを決められ1点差とされたものの、前半ロスタイムにムニエからのスルーパスをルカクが決めて、この日2点目とした。
後半はE・アザールが抜け出してから相手GKまでかわす技術を見せて4点目。バチュアイの5点目は右サイドのクロスにスライディング気味のボレーだった。
大勢が決まっていたが、後半ロスタイムにはチュニジアが2点目のゴールを決めている。
【第3戦】○1-0イングランド(得点者)ヤヌザイ=後6分 すでに1次リーグ突破を決めていたベルギーはGKクルトワ、DFボヤタ以外の9人を入れ替え、主力を温存させた。
G組1位になると強豪国が揃ったトーナメントの山に入ることになるからか、消極的な試合運びを両チームともしていた。試合が動いたのは後半6分。右サイドからエリア内に入ったヤヌザイが足の裏を用いたフェイントで1人かわしてから、左足でカーブをかけたシュートをゴールに突き刺した。
イングランドも反撃をするにはしたが、是が非でも勝ちたいという執念は感じさせず、1-0のスコアのまま試合終了。日本の相手がベルギーに決まった。
【まとめ】攻撃の中心は突破力のE・アザール、フィジカル面も技術も優れたエースFWルカク、そして身長169センチと小柄ながら決定力のあるメルテンスの3人。彼らをマンチェスター・シティのデブルイネが多彩なパスで操る。多彩な攻撃が可能で、例えばルカク1人を抑えればなんとかなる、という類いの相手ではないのは確かだ。
さらに、長友とマッチアップするであろう、右アウトサイドのムニエはパナマ戦で1万1216m、チュニジア戦では1万1605mというチームトップの走行距離でチームに貢献した。スプリント(全力疾走数)もそれぞれ54回、61回とチームトップ。長友も3戦とも1万mを超える走行距離を記録しているが、日本の左サイドは“走り合い”の様相になるだろう。
守備は3バック。基本的に攻略方法は両アウトサイドの裏、ペナルティーエリアの横の地域にボールを配し、横から崩す手法になる。