【福西崇史 熱血EYE】守勢必至も攻略のカギは大迫
「ロシアW杯・1回戦、ベルギー-日本」(2日、ロストフナドヌー)
サッカー日本代表は2日午後9時(日本時間3日午前3時)からの決勝トーナメント1回戦で、史上初の8強入りを懸けてベルギー代表と対戦する。ベルギーは1次リーグ3試合で9得点と攻撃陣が絶好調。デイリースポーツ評論家の福西崇史氏は攻略のポイントにカウンターを挙げ、キーマンとしてFW大迫勇也(ブレーメン)の名前を挙げた。
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ベルギーは攻撃的ではあるが、守備もしっかりしている。プレッシャーをかけてくるし、総合的な強さがある。イングランド戦はメンバーが大きく変わったものの、それぞれが良さを出していた。力は抜きん出ているし、穴がない。
日本が突破口を開くのはなかなか難しいが、基本的にはカウンターになるだろう。1次リーグでドイツを破ったときの韓国のように、相手が出てきたときのカウンターだ。そのためには守備の頑張りが欠かせない。
攻撃においては、サイドや相手の3バックへの揺さぶりが必要になる。コンビネーションを崩し、ずれたところに生まれるスペースにすぐに入れるようにサポートを速くすること。相手は身長も高いだけに、空中戦よりも下で勝負した方がいい。一瞬で裏へ抜けるようなプレーも心がけたい。
カギを握るのは大迫だ。彼が守備をする時間も増えるだろうし、攻撃では起点になり、裏への飛び出しに期待がかかる。かなりの運動量、体力を使うことになるが、3バックを嫌がらせないといけない。
守備に関しては、相手のつなぎからの攻撃にも気を付けたい。強引さ、高さ、パワーを兼ね備えるルカクのボールキープは怖いが、彼だけにいってしまうと後ろの選手が出てきてしまう。日本の中盤の選手は難しい判断を迫られる。E・アザール、デブルイネらも抑えなくてはいけないが、ルカクを封じ込めることは大前提だ。
立ち上がりにも気を付けたい。早い段階で先制されると、余裕を持たれてしまう。ボロ負けする可能性もあるだろう。前半は0-0でいき、1-0で勝つ展開にもっていきたい。集中力を切らさなければ、僅差の勝負はできると思う。
昨年11月の国際親善試合は、チーム全体として前からいく守備ができていた。あのときの経験とプレーを参考にしつつ、気持ちの面でW杯の決勝トーナメントと国際親善試合は別次元であることを肝に銘じておかなければならない。
日本は戦い方を変える必要はない。勝利を目指して、自分たちのプレーを徹底してやるべきだ。(02年日韓、06年ドイツW杯日本代表=デイリースポーツ評論家)