メッシ アグエロ弾アシストも輝けず…自身最低の成績に憔悴
「ロシアW杯・1回戦、フランス4-3アルゼンチン」(30日、カザン)
決勝トーナメント1回戦が始まり、C組1位のフランスが前回準優勝でD組2位のアルゼンチンを4-3で退け、2大会連続で8強入り。FWキリアン・エムバペ(19)=パリ・サンジェルマン=が2ゴールで勝利に貢献した。A組1位のウルグアイはB組2位の欧州王者ポルトガルを2-1で破り、2大会ぶりのベスト8。両チームは7月6日の準々決勝で顔を合わせる。サッカー界の2大スーパースター、ポルトガルFWクリスティアノ・ロナウド(33)=レアル・マドリード、アルゼンチンFWリオネル・メッシ(31)=バルセロナ=はいずれも姿を消した。
こんな幕切れは寂しすぎる。力尽きたメッシは腰に手を当て、ぼんやりと宙を眺めた。フランスとの打ち合いに敗れ、自身4度目の出場で最低成績となる16強止まり。アルゼンチンが生んだ“神の子”は、憔悴(しょうすい)した様子で静かに会場を去った。
厳しいマークの中で意地は見せた。1-1の後半3分、左FKのこぼれ球を逆サイドで拾って強引にシュートし、これがDFメルカドに当たって一時勝ち越しとなるゴールが生まれた。2点差を追った後半ロスタイムには正確なクロスでFWアグエロのゴールをアシスト。だが、遅すぎた。
なぜかW杯では力を出し切れない。
準優勝した前回は大会最優秀選手に選ばれたものの、決勝トーナメントは不発。今大会も1次リーグで挙げた1点にとどまった。全試合で布陣を変えたサンパオリ監督は「彼を生かすため、やれることは全てやってきたが…」と唇をかむ。メッシありきのチームづくりは過度の依存へつながり、最後までエースの力を引き出せずに終わりを告げた。
くしくも共にサッカー界をけん引してきたC・ロナウドと同じ日に、W杯の舞台を去る。4年後は35歳。カタールの地でメッシの勇姿は見られるのだろうか。