森保監督がW杯最後のテストマッチで見たかった3つのポイント 本大会でどう生かす?
「国際親善試合、日本代表1-2カナダ代表」(17日、ドバイ)
日本はW杯カタール大会前最後の試合で逆転負けを喫した。森保監督は試合後に「勝てなかったのは非常に残念」と悔やみながらも、一方で「W杯ではいろんな想定がある」と発言。カナダ戦は本大会を強く意識した試合だったと位置付けが見えてくる。
コンディション面でドバイに帯同しなかったMF守田、遠藤に加え、チームに未合流のMF三笘の出場は不可能だったが、初戦のドイツ戦を見据えたメンバーとは言えない選手たちをピッチに送り込んだ指揮官。そこには本番前にどうしても確認したかった3つのポイントがあった。
1つ目は、負傷明けや所属クラブで出場機会が十分ではない選手の見極め。森保監督は試合前、カナダ戦に向け「まずは個々のコンディションを上げること」とコメント。中東の地で行われるため、変則的に“冬開催”となったカタールW杯。各所属リーグでの最終戦から本大会までの日程が詰まっている上に、メンバー発表後も負傷者が続出。勝利を目指しながらも、練習ではなく実戦でその状態をチェックすることを優先させた。
2つ目が「ボランチ鎌田」のオプション。フランクフルトでも存在感を放つなど、現時点で攻撃の中心としての期待がかかるが、森保ジャパン初招集当初はトップ下にMF南野が君臨しており、1トップで起用されるなど、鎌田の特長をいかす手段について森保監督は模索していた。カナダ戦後も「代表チームでも彼が所属でやっていることを生かす選択肢ができた。選択肢ができたことはW杯へいいオプションとして手応えはつかめた」と語った。
そして3つ目が3バックのシステム。森保監督が広島時代から採用していた布陣で、日本代表就任以降も兼任していた東京五輪世代でのチームの基本システムとなっており、A代表での活用は早い段階から構想にあった。結果が求められるW杯予選では十分に試すことができなかったが、カナダ戦の最終盤でテスト。時間は短かったが、これを指揮官がどう見るかで本大会でのオプションは変わってくる。
互いにW杯本大会に臨むチーム同士、最後のテストマッチとなったカナダ戦。球際の弱さや、押し込まれた際のリアクションなどチームへ付けたくなる注文は多い。だが、貴重な最後の実戦機会を使ってまで森保監督がチェックしたかったものが同戦にはあった。それをドイツ、コスタリカ、スペインを相手にどういかすか。注目が集まる。(デイリースポーツ・デジテル編集部)