“ドーハの悲劇”増える?4試合 計57分 W杯 長すぎるロスタイム FIFAがプレー時間厳密化方針
4年に一度のサッカーの祭典・W杯が20日に初の中東開催となるカタールで開幕した。ここまで1次リーグ4試合を消化したが、話題となっているのが、「長すぎるロスタイム」だ。
20日の開幕戦・カタール-エクアドルでは前半5分、後半5分の計10分。21日のイングランド-イランでは前半にイランのGKベイランバンドが接触プレーで脳しんとうを起こすアクシデントがあり、前半だけでなんと「+14」のロスタイムが。SNS上ではかつて解説者の松木安太郎氏が日本代表戦で発した「ふざけたロスタイムですね」が急上昇ワードに浮上した。この試合は後半も10分のロスタイムで、計24分だった。
オランダ-セネガルでは前半2分、後半は8分の計10分で、後半54分に追加点が生まれた。米国-ウェールズは前半4分、後半は9分で計13分。4試合で合計57分と長時間化が顕著となっている。
今大会を前に国際サッカー連盟(FIFA)は新たなガイドラインとして、プレー時間の厳密化を求めており、アクシデントはもちろん、交代やゴール後のパフォーマンスなどによる時間もきっちりとロスタイムに反映している模様。また、最新技術を用いたVAR、半自動オフサイド判定の存在も大きなロスの一端となっている模様だ。
フランスメディアの「franceinfo」は、FIFAの審判委員長のピエルルイジ・コッリーナ氏の談話として「有効時間が42、42分、44分の試合は避けたい。交代、ペナルティ、祝福、治療、VAR(の時間)も補償されなければならない」とのコメントを掲載した。
緊迫した試合では、とてつもなく長く感じるロスタイムが、さらに長く。ロスタイムの“悲劇”、“歓喜”の劇的な幕切れも増加する可能性がある。