カズ帰国、日本代表へエール 魂はドーハに「勝ち進むんだという意志があった」「目標は決勝T」
サッカー元日本代表のFW三浦知良(55)=鈴鹿ポイントゲッターズ=が25日、W杯観戦を終え、ドーハ市内のハマド国際空港から帰国した。日本代表にとって歴史的勝利となった初戦のドイツ戦を見届けたカズは、決勝トーナメント進出へ期待を込めた。
黒い上下のジャージー姿に黒いキャップ、白いスニーカーを合わせ、りさ子夫人らとハマド国際空港に姿を見せた。カズは「面白かった」と率直な感想を口にし、「(ドイツを)1点に抑えていたことが流れとして良かった。追いつければ一気に流れは変わるのではないかと思っていた。その通りになって良かった。その中にはみんな(日本代表)の積み上げてきた団結力や一体感、そして自分たちが必ず勝ち進むんだという意志があった」とたたえた。
ドイツから大金星を挙げたが、カズはまだ手放しで喜んではいない。29年前のW杯米国大会アジア最終予選。本大会出場まであと一歩のところでイラクに追いつかれ、出場を逃した「ドーハの悲劇」を知っているだけに、「勝ちましたけどやっぱり目的は決勝トーナメントに行くこと。3試合のうち、1試合が終わって優位に立ったというだけ。選手たちはそう感じていると思う。コスタリカ戦、スペイン戦と厳しい試合になる」と、エールとともに引き締め直す重要性を説いた。
成田空港到着後も取材に応じ、ドイツ戦での浅野の決勝ゴールを「よく入った。(相手GKが名手)ノイアーだから角度も(ポストぎりぎりで左肩の上を抜く)あれ以外にないよ」と絶賛した。同戦は元日本代表MF中田英寿氏と観戦し「いい解説者がいた」とにんまり。親交のある長友に対しては「あえて連絡を取らず、お祭り騒ぎにしないようにしている」とチームをもり立てるベテランを気遣った。