ドイツ崖っぷちで残った 滑り込みで初代表のFW・フュルクルクが救った同点弾
「カタールW杯・1次リーグE組、スペイン代表1-1ドイツ代表」(27日、アルホル)
第2戦が行われ、E組で首位のスペインは1-1でドイツと引き分けた。スペインは後半17分、アルバロ・モラタ(30)=アトレチコ・マドリード=が先制し、ドイツは同38分にニクラス・フュルクルク(29)=ブレーメン=が同点ゴールを決めた。勝ち点はスペインが4で、ドイツは1。スペインは1次リーグ最終戦(日本時間12月2日午前4時)で勝ち点3の日本と対戦。ドイツは勝ち点3のコスタリカと同時刻に対戦する。
滑り込みで初のW杯代表に選ばれた188センチの武骨なFWが、崖っぷちに追い込まれたドイツの救世主となった。2連敗がちらついた終盤。29歳のフュルクルクが豪快な同点ゴールを決め、仲間にもみくちゃにされた。
0-1の後半25分に投入され、最前線へ。待望の瞬間は同38分に訪れた。サネの縦パスが中央に通る。相手DFを背負って受けたムシアラから「俺が打つ」とばかりに右からボールを奪うようにして突進し、強烈な右足シュートでネットを揺さぶった。
ドイツの1部と2部を行ったり来たりの競技人生。ブレーメンで1部に昇格した今季、前半戦でドイツ人選手最多の10ゴールを挙げ、初のA代表に大抜てきされた。値千金の同点弾に、フリック監督は「強い意志を見せ、チームに多くのものを与えてくれた」と絶賛した。
技巧派が多い攻撃陣の中で、そのパワフルなスタイルは異彩を放つ。浮足立つことなく「まだ一番大事な試合が残っている。改善の余地はある」と次戦へ切り替えた。
◆ニクラス・フュルクルク 1993年2月9日、ドイツ・ハノーバー出身。ブレーメンのユースチームでプレーし、2012年にトップチームに昇格した。フュルト、ニュルンベルク、ハノーバーを経て、19年からブレーメンでプレー。11月のW杯前に行われたオマーンとの国際親善試合でゴールを決めた。188センチ、78キロ。