三笘薫が神アシスト「少し脚が長くて良かった」 勝負分けた勇気の先の“1ミリ”

 声援にガッツポーズで応える三笘
 後半、三笘(上、左端)のゴールライン際からの折り返しのボールを押し込む田中(下、右から2人目)。決勝ゴールとなった(共同)
 後半、ゴールライン際のボールを折り返す三笘(AP=共同)
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 「カタールW杯・1次リーグE組、日本代表2-1スペイン代表」(1日、ドーハ)

 初戦・ドイツ戦に続き、途中出場の堂安律(24)=フライブルク=が後半3分に起死回生の同点ゴールを決めた。その3分後、堂安からのクロスに三笘薫(25)=ブライトン=がゴールラインギリギリで左足を届かせアシスト。最後は田中碧(24)=デュッセルドルフ=が決勝弾をねじ込んだ。

 祈りを込めて、三笘は折り返した。「1ミリでもかかっていたらいい」。1-1の後半6分、堂安の右クロスが左に流れ、ゴールラインを割りかけた。走り込んだ背番号9が懸命に左足を伸ばした。思いは届き、決勝アシストが生まれた。「僕の感覚では(ラインの)中にあるなという感じだった。少し脚が長くて良かったと思った」と軽妙に振り返った。

 約2分半、息をのんだ。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の判定に時間を要した。競技規則第9条では「グラウンド上または空中で、ボールがゴールラインまたはタッチラインを完全に越えた時」にはプレーが途切れる「アウトオブプレー」となる。直径約22センチのボールは、ほぼラインを割っていたが、約10センチ幅の白いラインにわずかにかかっていると判定され、得点を認められた。

 試合後、海外メディアから判定について問われた森保監督は「現代サッカーのテクノロジーで、本当に(ラインを)割っていればゴールキックになっていた。ジャッジを受け入れようと思っていた」と見解を明かした。

 後半開始から投入された三笘は左ウイングバック(WB)に配置された。長友が先発起用され、5バックの左サイドバックのようだった前半とは異なり、1点を追う展開でWBの位置を高めに取っていたことで、三笘の足が間に合った。リスクを冒した勇気の先にあった“三笘の1ミリ”が勝負を分けた。

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