オランダ 手堅いスタイルで8強 ファンダイク、闘病中の将のため「全てを尽くす」
「カタールW杯・1回戦、オランダ代表3-1アメリカ代表」(3日、ドーハ)
16強による決勝トーナメント1回戦が始まり、アルゼンチンとオランダがともに2大会ぶりに準々決勝に進出した。9日(日本時間10日)に4強入りを懸けて対戦する。両チームは2014年ブラジル大会の準決勝でぶつかり、アルゼンチンが延長を終えて0-0からのPK戦を制した。1次リーグC組1位のアルゼンチンはメッシが先制点を挙げ、D組2位のオーストラリアに2-1で勝利。A組1位のオランダはB組2位の米国を3-1で下した。
オランダが質実剛健なスタイルで8強に勝ち進んだ。1得点2アシストのドゥムフリスは、型にはまらない華麗なサッカーを好む国民からの批判を念頭に「今日のゴールが全てだ。このシステムのクオリティーを示せた」と留飲を下げた。
2-1の後半36分だった。左でつなぐ間に、右ウイングバックのドゥムフリスが相手の警戒が薄れた遠いサイドに進入。左クロスに完全にフリーの状態で左足を合わせ、押し込んだ。ファンハール監督は「美しく、チームスピリットが表れたゴールだ」と喜んだ。
オランダは名手クライフを中心に「トータルフットボール」を編み出し、1974年大会で準優勝。当時と比べれば地味に映る手堅い戦いぶりだが、迷いなく今のスタイルを貫くイレブンには有無を言わせぬ迫力がある。
昨年8月のファンハール監督就任後、これで公式戦19試合無敗。71歳の名将は前立腺がんの闘病中で、今大会限りで退任する。主将のファンダイクは「これが最後だからこそ、僕らは彼のために全てを尽くす」と言葉に力を込めた。