メッシ“魔法”の1得点1アシスト PK戦制し2大会ぶり4強 悲願のW杯優勝へあと2勝
「カタールW杯・準々決勝、オランダ代表2(PK3-4)2アルゼンチン代表」(9日、ルサイル)
アルゼンチンがPK戦を制し、準優勝した2014年以来2大会ぶりの4強に進出した。13日の準決勝で前回準優勝のクロアチアと対戦する。自身5度目のW杯に出場しているFWメッシ(35)=パリ・サンジェルマン=は悲願の優勝まであと2勝と迫った。
2トップの一角で先発出場したメッシは前半35分、敵陣右サイド寄りから中央へドリブルで侵入すると、ペナルティーエリア内のDFモリナ(アトレチコ・マドリード)へ“魔法”のようなスルーパスを通した。ゴール前を固めたオランダ守備陣を一瞬で無力化。DFファンダイク(リバプール)が懸命に足を伸ばしたが届かず、モリナが右足で先制点を流し込んだ。
後半28分にはDFアクーニャ(セビリア)が倒されて得たPKを、メッシが右隅に沈めた。GKノペルト(ヘーレンフェイン)はタイミングを外され、一歩も動けなかった。
メッシはW杯通算10得点目で、バティストゥータの持つアルゼンチンの歴代最多得点数に並んだ。また、W杯通算出場試合数が24試合となり、クローゼ(ドイツ)に並んで歴代2位タイとなった。決勝3位決定戦まで進めば、マテウス(ドイツ)の最多記録「25」を上回ることができる。
オランダは後半38分にFWウェフホルスト(ベシクタシュ)のヘディングで1点を返すと、10分間のロスタイムでもパワープレーを中心に畳みかけた。終了間際の同56分には相手ゴール前のFKから乾坤一擲のサインプレーを繰り出した。飛び上がった壁の足元にボールを通すと、ウェフホルストが左足でこの日2点目となる起死回生の同点ゴールを決めた。
延長後半はアルゼンチンが前に出た。9分にはFWLa・マルティネス(インテル・ミラノ)が右足で狙ったが、体を張ったファンダイクに阻まれる。終了間際にはMFフェルナンデス(ベンフィカ)の右足ミドルがゴールポストを叩いた。
2-2で突入したPK戦では、先蹴りのオランダは1人目のファンダイクら2人が失敗。後蹴りのアルゼンチンは1人目のメッシ(パリ・サンジェルマン)ら4人が成功した。 試合会場に詰めかけた8万8235人の大半はアルゼンチンサポーターだった。メッシのドリブル突破やシュートのたびに「メッシコール」を大合唱で響かせ、PK戦ではオランダに耳をつんざくような大ブーイングを浴びせるなど、圧倒的なホームの雰囲気を演出した。