モロッコ アフリカ勢初の4強入り ポルトガル撃破 指揮官「ここにいるに値する」
「カタールW杯・準々決勝、モロッコ代表1-0ポルトガル代表」(10日、ドーハ)
フランスとモロッコが準決勝に進んでベスト4が出そろった。前回優勝のフランスは2大会連続で、モロッコはアフリカ勢初の4強入りを果たした。フランスは前回4位のイングランドに後半1-1に追い付かれたが、ジルーのゴールで勝ち越して2-1で競り勝った。モロッコはネシリが前半に奪った先制点を守り切り、ポルトガルを破った。準決勝は13日(日本時間14日)にアルゼンチン-クロアチア、14日(同15日)にフランス-モロッコが行われる。
耳をつんざくような歓声を背にモロッコがアフリカ勢初の4強に進出。歴史の一ページに快挙を記したレグラギ監督は「モロッコは、アフリカは、ここにいるに値する」と誇り、サイス主将も「もはやアフリカがコンプレックスを感じる必要はない」とうなずいた。
前半42分、技巧とパワーが融合したモロッコらしいゴールが生まれた。自陣深くからつなぎ、縦横に駆け回るMFウナヒを中継しながら左サイドへ。華麗なパス回しの後、豪快にヘディングを決めたのは188センチのFWネシリだ。ふわりとした左クロスを、GKが伸ばした両手より高い打点からたたきつけた。
保持率は20%台にとどまったが、圧力を感じていたのは相手だろう。約60%だったポルトガルはボールを持っている間、ブーイングを浴び続けた。モロッコが守備の網にかけると一転、大歓声に。中盤が寄せをかわし、ハキミやジエシュが敵陣へ運ぶ逆襲は躍動感に満ちている。
開催国カタールが人権問題などで批判を受け、アラブ世界が眉をひそめる今大会。西欧列強を次々に倒すモロッコの姿に留飲を下げるファンは多い。「アラブ世界とアフリカが背中を押してくれている。決勝に行き、そこで勝つことだってできる」。胴上げで宙を舞ったレグラギ監督はさらなる高みを見据えた。