メッシ 有終Vへ王手「W杯を楽しんでいるよ」 アルゼンチン快勝で2大会ぶり決勝
「カタールW杯・準決勝、アルゼンチン代表3-0クロアチア代表」(13日、ルサイル)
アルゼンチンが前回準優勝のクロアチアに3-0で快勝して2大会ぶりに決勝へ進んだ。リオネル・メッシ(35)=パリ・サンジェルマン=が先制のPKを決めて今大会5ゴールとし、W杯11得点はガブリエル・バティストゥータを抜く同国史上最多で、通算25試合出場はW杯最多タイ記録。1986年以来3度目の優勝を目指し、18日(日本時間19日未明)の決勝に臨む。決勝トーナメント1回戦でPK戦の末に日本を退けたクロアチアは17日(同18日未明)の3位決定戦に回る。
アルゼンチンの大黒柱、35歳メッシが、クロアチアの20歳グバルディオルを一蹴した。今大会で評価を急上昇させているDFとの注目のマッチアップも、3ゴールの快勝。「W杯を楽しんでいるよ」。1得点1アシストのベテランは、心からうれしそうに言った。
劣勢だった前半34分、メッシが試合を動かした。アルバレスが倒されて獲得したPK。これを右上の厳しいコースに突き刺し、一気に流れを引き寄せた。
2-0の後半24分には右サイドで受け、縦へ。グバルディオルに追い付かれても、減速からの急加速で惑わせ、球には触らせない。ペナルティーエリアの右外で一度止まると、右回りでターンすると見せかけて逆に急旋回して中に。グバルディオルの前に体を入れ、折り返した。これをアルバレスが決めた。
この試合でメッシの最高速度は時速28・9キロで、グバルディオルは33・1キロ。スピードの差を緩急とフェイント、体の入れ方、駆け引きで逆転する。15センチの身長差も15歳の年齢差も関係なかった。
自身5度目のW杯。サウジアラビアとの初戦で敗れてから「五つの決勝を戦ってきた」という。重圧を乗り越えられた原動力は間違いなく5得点3アシストのメッシだ。
W杯で通算11得点はアルゼンチン史上単独最多。出場試合数も25でマテウス(ドイツ)の最多に並び、ドイツに敗れた2014年大会以来となる決勝で更新が見込まれる。
「自分にとって最後のW杯で決勝を戦えるなんて素晴らしい。2回目の決勝だが、今回は違う結果になることを願うよ」。唯一足りないタイトルが、もう目の前にある。