台風の目となったモロッコ 精も根も尽きた 指揮官「選手誇らしい」「アフリカ万歳」
「カタールW杯・3位決定戦、クロアチア代表2-1モロッコ代表」(17日、ドーハ)
前回準優勝のクロアチアが、アフリカ勢で初めて4強入りしたモロッコに2-1で競り勝った。グバルディオルのヘディングで先制し、1-1の前半終盤にオルシッチが右足で勝ち越しゴールを決めた。決勝トーナメントに入ってから日本、ブラジルとのPK戦を制して勝ち上がったクロアチアは、W杯に初出場した1998年と同じ3位で大会を終えた。モロッコは先制を許した2分後にFKの好機からダリが頭で決めて追い付いたものの、第1回大会の米国以来92年ぶりとなる欧州、南米勢以外の3位には届かなかった。
モロッコの選手は精も根も尽きて、ピッチに転がった。準決勝からの間隔は相手より1日短い中2日。センターバックは控えが並び、その代役も次々と負傷で退いた。それでもネシリらは最後までゴールを狙った。「選手が誇らしい。全てを出し尽くした」。レグラギ監督は胸を張った。
先制されてから2分後の前半9分、FKからダリが頭でたたき込んで追い付いた。ただ武器とする逆襲にはいつもの鋭さを欠いた。
アフリカ勢初の4強という快挙は色あせない。母国は試合のたびに熱狂。レグラギ監督は「子どもに夢を見せた。勝利よりも尊い」という。列強への劣等感をぬぐい去り、次世代が優勝の高みを目指す。記者会見場からの去り際、指揮官は高らかに言った。「アフリカ、万歳」。