フランス連覇ならず エムバペ ハット&得点王も夢散る デシャン監督「インパクト残した」
「カタールW杯・決勝、アルゼンチン代表3(PK4-2)3フランス代表」(18日、ルサイル)
圧倒的な爆発力を発揮したが、フランスを頂点に導けなかった。国歌斉唱で笑みを浮かべる余裕も見せていたエムバペは、口を一文字に結んで悔しさをかみしめた。
厳しいマークで存在感を消されていた終盤、突然目覚めた。0-2の後半35分に味方が得たPKを決めると、そこから急激にギアを上げた。
1分後にチュラムとのパス交換から豪快なボレーシュートを突き刺して同点。本来の躍動感を取り戻し、何度も左から切れ込んで強引にシュートを放った。
2-3の延長後半にもPKで追い付くと、重圧のかかるPK戦は1人目に登場。この日3度目のPKでもこれまでと同じく左を狙い、GKに触られながらも力でねじ込んだ。デシャン監督は「決勝でもインパクトを残した」とたたえたが、孤軍奮闘は実らなかった。
W杯は自らの存在価値を証明する場だった。パリ・サンジェルマンで得点を量産しても、欧州で5番手のフランス1部リーグのレベルを疑問視する声が絶えない。強い憧れを持つ世界最優秀選手賞「バロンドール」の投票結果を巡り、主催するフランス・フットボール誌の編集長に不満を漏らしたこともある。
19歳で優勝した前回と合わせてW杯通算12得点とし、ブラジルの「王様」ペレが4大会で決めた数字に早くも並んだ。記録面では文句なしのインパクトを残したが、大会の主役にはなれなかった。