米文学翻訳者協会は11日までに、全米翻訳賞(散文部門)の最終候補に、柳美里さん(56)の小説「8月の果て」を選んだと発表した。選考結果は今月26日(日本時間27日)に公表される。
同作は2004年に日本で発表され、翻訳家モーガン・ジャイルズさんの英訳で昨年、米国でも刊行された。柳さんの祖父をモデルに、戦争がもたらす悲劇を日韓の近現代史と重ねて描いている。
同賞は1998年に創設され、賞金は4千ドル(約59万円)。今年の米文学翻訳者協会の賞を巡っては、アジア作品の翻訳に贈る部門でも、詩人の和合亮一さん(56)の英訳詩集が最終候補に残っている。