千々石ミゲル墓所、市の史跡に 諫早、「禁教期埋葬法示し貴重」

 16世紀末にキリシタン大名の名代としてローマを訪れた「天正遣欧少年使節」の一人、千々石ミゲルの墓所について、長崎県諫早市は14日、史跡に指定し、子孫に当たる男性に指定書を交付した。市は「(キリスト教)禁教期の埋葬習俗を知ることができる貴重な遺跡」と評価している。

 墓はJR諫早駅の西約10キロの田園地帯にあり、高さ約2・5mの墓石が立つ。専門家がミゲル夫妻の墓である可能性に言及したことを機に、子孫の浅田昌彦さん(71)と専門家ら有志が2014年から発掘調査。

 浅田さんや有志は、男女の人骨の発見や、墓石に刻まれた戒名の分析などを踏まえて夫妻の墓と特定し、今年3月に報告書をまとめた。

 この調査結果を踏まえ、市の文化財保護審議会は11月、墓所の文化財指定を求める答申を出していた。

 大久保潔重市長から指定書の交付を受けた浅田さんは「指定を機に、ミゲルの人生や少年使節の歴史を長くつなぐことができたらうれしい」と話した。

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