成田空港、カスハラに毅然と応対 航空会社など統一方針
成田国際空港会社(NAA)と航空会社、空港内に拠点を置く事業者などでつくる協議会が、従業員へのカスタマーハラスメント(カスハラ)に対処するための統一方針を定めた。大声でしつこく責める行為、不適切な金銭補償や謝罪の要求、セクハラなどを想定し「毅然とした対応を取る」とした。
協議会事務局を務めるNAAの担当者は「応じられる限度を丁寧に説明してもカスハラが続く場合は、各事業者の判断で応対を打ち切ったり、警察に通報したりすることもあり得る」と言い切る。
保安検査業務を受託する警備会社によると、従業員の大半が週1回は被害に遭う。危険物が入っているかもしれないと感じた手荷物を調べる際、検査を受けている旅客から「早くしろ」「乗り遅れたら責任を取るのか」と食ってかかられたり、騒がれたり。心を病み退職する人もいるという。担当者は「統一方針でカスハラが減れば、従業員の採用増や離職防止にもつながる」と期待する。
飲食店でも「料理の提供が遅く、搭乗時間に間に合わなくなった。償え」といった苦情を受ける例もあるという。