金沢駅「金沢三昧」1300円
白い掛け紙に牛、魚、カニの絵が描かれ、その横にそれぞれ能登牛、のどぐろ、かにの文字が書かれている。朱印は創業明治弐拾九年高野商店製と読み取れ、130年近い歴史のある駅弁業者が調製したことも分かる。中身は均等に3分割され、升のセンターには能登牛おこわがメインで入る。ゴボウ、ニンジン、ワサビ菜が彩りを添え、実においしそう。それを挟むように海の幸をあしらった名物が脇を固める。のどぐろめしはあぶったのどぐろ(アカムツ)の大きな切り身と椎茸、花形ニンジンが見える。かにすしは錦糸卵の上にカニ足の棒肉が所狭しと並び、イクラと共に赤色を強調しているようだ。三原色の中では最も使われることが少ないと思われる赤い食材が目を引き、仕切りも赤で統一されて温かみがあるのが特徴の駅弁だ。
◇ ◇
まずは真ん中の能登牛おこわから食べてみる。うるち米と、もち米の牛おこわにピリリとパンチのあるワサビ菜とゴマのかかったゴボウ煮、ニンジン煮に軟らかい牛肉の煮込みが、粘り気のある牛おこわと相性抜群でうまい。
のどぐろめしは、香ばしさの残る大きな切り身と、ニンジン、椎茸が甘い味付けでこちらもいい味だ。
かにすしは甘めのすし飯の上に錦糸卵、ベニズワイガニの棒肉が4本、そしてイクラがちょこんと2粒。日本海の味覚を代表する間違いない仕上がりとなっている。
3種類がそれぞれ独立し、少しずつではなくしっかり入っているので、まさしくタイトル通り金沢のおいしいもの三昧を楽しめました。
1300円。北陸本線・金沢駅「(株)高野商店」TEL0761・72・3311。加賀温泉駅でも発売中。
(まいどなニュース/デイリースポーツ・柴田 直記)