最低賃金の時給1500円に課題 「非現実的」労働団体側からも

 福岡資麿厚生労働相は11日の記者会見で、最低賃金の全国平均時給を2020年代に1500円とする政権目標の達成へ、重ねて意欲を示した。「中小企業が着実に賃上げできる環境の整備に取り組む」と述べた。実現には前例にない急激なペースでの増額が必要で、人件費上昇への懸念もある。労働団体の関係者からでさえ「非現実的」との指摘が出ている。

 24年度の全国平均時給は1055円。前年度からの上げ幅は51円、伸び率は5・1%でいずれも過去最高だった。目標達成には今後5年で445円の増額が必要。単純計算で毎年7・3%の伸びが求められる。

 石破茂首相は4日の所信表明演説で「20年代に1500円という高い目標に向かってたゆまぬ努力を続ける」と強調。ただ自民党が10日に発表した衆院選政権公約では、時期や金額は明記されなかった。政府関係者は「党内では慎重意見も強い。中小企業の反発も考慮したのではないか」と話した。

 引き上げ額は、国の審議会や都道府県ごとの地方審議会で議論して決め、労使代表の意見が尊重される。

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