「母乳バンク」認知度は3割弱 理解広がらず、民間調査
寄付された母乳(ドナーミルク)を低体重で生まれた乳児に提供する「母乳バンク」の名称も内容も知っている母親は27・9%にとどまることが7日、子ども用品メーカー「ピジョン」(東京)の調査で分かった。直近3年間は横ばいが続いており、運営を支援する同社は「さらに認知度を高めたい」としている。
調査は6~7月、妊娠中か2歳以下の子どもがいる父母にインターネットで実施。うち母親516人の回答を分析、公表した。
39・9%が「聞いたことはあるが内容はよく知らない」、32・2%が「聞いたこともなく内容も知らない」と回答。ドナーミルクは出産直後から必要となるが、妊娠中から名称も内容も知っていた母親はさらに少なかった。
日本母乳バンク協会などはドナーミルクを必要とする乳児を年間5千人と推計。2023年度に提供を受けた乳児は1118人だった。調査では、母乳バンクを知らない人のうち、53・5%が「利用に抵抗を感じる」と答え、他人の母乳を与えることへの拒否感や病気がうつる不安を挙げた人が多かった。