停電、ケータイ不調…台風18号に遭遇 デイリー記者が宮古島をリポート
強い台風18号は13日、勢力を強めながら宮古島の東南東の海上を北西に時速約15キロで進んだ。宮古島では13日午後2時40分、最大瞬間風速が45・8メートル、全世帯の半分以上にあたる約1万6000戸で停電。宮古空港や石垣空港発着の全便が欠航した。本紙芸能担当の古宮正崇記者は、夏期休暇で同島に家族と滞在中。停電し、雨漏りするホテルに“監禁”された非常事態をリポートした。
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6歳と4歳の男の子と家族4人の家族旅行に、台風が直撃した。宿泊したホテルは島内でも1、2位を争う大型施設。無事だろうと高をくくっていたら、前日の時点でエントランスやロビーなど、あらゆる場所のシャッターが下ろされ、異常事態を突きつけられた。
朝、目覚めると、窓外のヤシは強風でバッサバサと揺れ、時間の経過とともに、8の字に動くほど激しさを増した。締め切って真っ暗になったホテル内には、がらんとした静けさの中、「ゴーゴー」と風のごう音が響く。次男は「怖い~」と泣き出した。
断続的に停電が発生。急きょイベントホールで実施した「モアナと伝説の海」のDVD上映会も途中で画面が消えた。子連れにとっては地獄沙汰。鬱々(うつうつ)とした気分を転換しようと、アプリ「ポケモンGO」を起動するも電波が異常に悪い。長男は「全然、動かないんだけど…」と切迫した事態に声を震わせた。
ロビーの掲示板に貼られた飛行機の全便欠航を知らせる紙を見て、50代ほどの男性は「今日、帰るはずだったけど、もう1泊することになった。でも、振り替えの便が2日後までなくて」と冷笑。昼過ぎには、20代の美男美女カップルが「もう飲むしかないな!!」と、リゾート価格でやや割高なオリオンビール6缶パックをやけ酒用に買い込み、部屋へと消えていった。
夕方になると、ロビーにまで雨漏りが発生。夕食のバイキング会場にも雨が入り込み、一部が使用不能となった。自家発電もあるが、照明がたびたび切れるなど不安な夜を過ごし、子供たちの勇気が試される状況となった。(デイリースポーツ芸能担当・古宮正崇)