「寿司ドル」効果で売上げ&客数が3倍に!アガリより熱いパフォーマンス
“アガリより熱いパフォーマンス”をする「寿司ドル」を知っているだろうか?その正体は、名古屋の寿司店「五一」がプロデュースする「アイドル教室」というアイドルグループだ。
誕生のきっかけは、3代続いた寿司店の経営が行き詰まっていたところ、音楽好きだった3代目店主の梅村さんが、アイドルを誕生させてお店を盛り上げようと思ったこと。アイドル希望者を募り2009年11月に寿司ドル「アイドル教室」を結成した。
寿司店の4階に簡易ステージを作り、3代目が自らプロデューサーを務め、楽曲を作詞・作曲して、ステージの照明と音響も設置した。メンバーは素人ながら、公演前は毎日集い練習して、初日公演を迎えた。けれど、観客は10人にも満たなかったという。
その後も、週に3回、定期的に公演を開催。毎年オーディションで新メンバーも募り、現在メンバーは20人に。その内、選抜メンバー8人が舞台で歌やダンスを披露する。簡易ステージも16年6月には100人もの観客が入る本格的なステージに生まれ変わった。
公演のほかに、寿司店では「寿司ドル接客日」を月に2回開催。入場券1000円にはもちろん寿司代が含まれており、さらに寿司ドルが寿司を握ってくれるという有料オプションまで用意されている。
「寿司×アイドル」という試みは、クチコミなどにより注目され、今年8月にはZepp名古屋で単独ライブを開催することに。目標観客数は1000人としていたところ、集まった観客は1119人。人数発表の瞬間、メンバーたちは感動の涙を流しながら抱き合って喜んだ。
現在、全60曲ある「アイドル教室」の楽曲の作詞・作曲をすべてプロデューサーである3代目店主の梅田さんが手掛けている。順調に成長している寿司ドルであるが、肝心の寿司店の売り上げはどうなったのか。「おかげさまで、アイドル教室を立ち上げた後、売上げ、来客とも約3倍も伸びました。寿司店の経営とアイドル教室のプロデュースの両立は大変ですが、現在は経営も安定しています」と梅村さん。
今後の展開については「今は名古屋を中心に活動していますが、いずれは全国の皆さんに愛されるアイドルとして成長していってもらいたいですね」。寿司を握りながら歌って踊るアイドルの姿を、全国局の音楽番組で見られる日も、そう遠くはないかもしれない。