「シークレット婚活塾」（井上敬一・著、ＳＢクリエイティブ　１３００円税別）

　１万人以上の女性を口説き落としたという元カリスマホストの恋愛塾講師が、ホストと経営者時代などの経験をもとに独自のノウハウを綴っている。

　「大好きなあの人にたった３カ月でプロポーズさせる」と、表紙の言葉は勇ましい。そんなこと可能なのか。半分だまされるつもりで読み進めると途中で気づく。著者は経歴から受けるイメージとは異なり、恋愛にまじめで愚直だということだ。

　本書は５つの章からなる。「男を知る」「男に馴れる」「男に仕掛ける」「男を落とす」「男に愛され続ける」。どの章も分かりやすい言葉で書かれ、実践できることを推奨している。例えば「２回目のない女を卒業するため」に“１５の地雷”を挙げ、注意を促す。実際、一つも踏まないなんて難しい。ただ、いくつかに気を配ることで相手からの印象が一変することは、ありえると思わせる。

　彼氏ができなかったのに１カ月に４人から告白、２回のＬＩＮＥで元彼から結婚前提にやり直そうと…などの“実績”は、プロの研究心から生まれた助言を上手に咀嚼（そしゃく）した人の結果なのだろう。

　本書は女性向けだが、男性にも興味深い。自分がなぜ、その人を好んだかを論理的に考えることは少ないだろうから。立場を逆に読むと「なるほど」とうなずける項目はあった。これは、心理学に通じるかもしれない。

　著者は勧める。男は基本６歳児だから、そう思って対処すればＯＫ、と。う～ん…これは公開しないでほしかった。