困ったアリーナDJの対処法 4つの“演説”に分類
プロ野球がシーズン終盤を迎える秋。一方でバスケットボールやバレーボールなどアリーナ競技は、国内トップリーグが開幕したばかり。これからがシーズン本番だ。そこで今回は「困ったアリーナDJ」への対処法を紹介してみたい。
アリーナDJ(またはアリーナMC)の役割は、選手交替などの試合進行をアナウンスしながら、観客に応援を促し、選手とファンに一体感をもたらすもの。要するに会場を盛り上げることだ。
15年ほど前はバレーボールの国際大会や各競技の五輪予選くらいでしか見かけなかった。それが現在ではバスケットボールのB.LEAGUEやバレーボールのV.プレミアリーグはもちろん、フットサルのFリーグやハンドボールの日本リーグ、さらには車椅子バスケの大会でもDJを見かけるようになった。
普段は短いフレーズをテンポ良く挟むDJだが、たまに主観たっぷりに演説のような長いフレーズを繰り出すことがある。試合開始前や終了後、セレモニーなどなら気にならないが、試合中は勘弁してほしい気持ちになってしまう。スポーツ中継で無意味な絶叫や内輪話を聞かされた時に似ている。
“演説”と、いかに向き合うか。筆者は“演説”が「ダメ出し」「大仰」「説法」「感想」の4つに分類されることを発見。状況に応じて、これは「ダメ出し」だな、などと“演説”を相対化することによって、気持ち悪くならなくなった。同じ思いを抱いたことがある方がもしいるなら、参考にしてもらえれば幸いだ。分類の解説は以下の通り。
【ダメ出し】観客に声援や手拍子を求め、その後、DJが叱責してやり直させる状況。
(使用例)今から僕に続いて声援をお願いします。いきますよ。せーの…ダメダメ。そんな大きさじゃ、選手の力にならないよ。全然足らない。みんななら、もっと出せるはずです。心を一つに。さあ、もう一度。
【大仰】当たり前のことを大げさに言う状況。
(使用例)勝負の世界は実に残酷です。どんなに死力を尽くそうとも、必ず勝者と敗者に分かれます。試合時間は残り5分。泣いても笑ってもあと5分で決着します。さあ素晴らしいプレーを見逃さないように、最後まで盛り上がっていきましょう。
【説法】DJが選手の気持ちを代弁したり、自身の信念を前面に出して応援を求める状況。
(使用例)選手たちは頑張っています。そして苦しんでいます。選手たちはなぜ頑張れるのか。それはファンのためなのです。ならば我々は、力の限り声援を送ろうじゃありませんか。それが必ず選手の力になります。選手にパワーを送りましょう。最後までともに戦いましょう。
【感想】DJが思ったことをそのまま口にする状況。
(使用例)すごい。今のスパイクはすごかった。あの難しいトスをよく打ち抜いた。これは流れが変わりますよ。さあ我々も応援で選手を後押ししましょう。(デイリースポーツ・山本鋼平)