タイガースを世界に発信する外国人がいた!身も心も「阪神LOVE」

 運命に導かれるように“タテジマ”にのめり込んだカナダ人男性が芦屋にいる。大学英語講師で自称ニコラス・ケイジ似のトレバー・レイチュラさん(42)がその人。ファン歴わずか4年ながら好きが高じてタイガース情報を英文で世界にネット配信している。日本語の読み書きに長け、もちろん、デイリースポーツの愛読者。なぜハマったのか。『阪神LOVE』に迫った。

 初来日は1998年夏の沖縄。その後、北海道へ。ここまでは阪神との接点はほとんどなかったが、2010年5月、帰省していたバンクーバーから東京に向かう飛行機で神戸出身の女性と出会い、運命が変わる。

 11年7月、神戸に引っ越し、翌年3月結婚。赴任先の男子校で阪神ファンに染まりかけたところ、14年6月、妻・友子さんから誕生日プレゼントとして観戦チケットを贈られ、初めて甲子園を訪ねた。

 「交流戦でたまたま大谷翔平が投げた試合。確か、8回1安打に抑えられました」。完敗だったが、甲子園球場の開放的な雰囲気と熱心に応援する阪神ファンの姿が忘れかけていた感覚を思い出させてくれた。そう、NHLに所属する地元のアイスホッケーチームのウィニぺグ・ジェッツを熱烈に応援していた少年時代のあの気持ちだ。

 「探し求めていたものがあった」

 好きとなったらとことん突き進むタイプ。学生時代にはスポーツジャーナリストにも憧れていた。観ているだけではつまらない。英文サイトの「Hanshin Tigers English News」(http://www.thehanshintigers.com/)を立ち上げ、当時いたマートン、メッセンジャーら外国人選手の成績を手始めに選手名鑑、応援歌の翻訳とその意味の解説などを配信。

 「鳥谷選手ほど鉄人じゃないけど、阪神戦は欠かさず観てます」。さらにタイガース関連本を読みあさり、ソロムコ、バッキーら歴代の外国人選手列伝、レジェンドや節目の出来事、珍事件もサイトに上げた。

 「物干し竿バットはランドリーポール・バットとか、バックスクリーン3連発、“ベンチがアホやから”もね。いまを知っているだけではつまらない。深くないというというか」

 外国人選手との人脈も広げ、日本語はペラペラ。読み書きも得意でボケもツッコミもできる。次なるターゲットはタイガース検定受験。さらにトラ芸人になる野望も秘める。

 「一人の阪神ファン以上の存在でいたい。いまやってることで食べて行けたら最高。阪神LOVEなのは阪神が人生と重なるからです。良いことも長く続かないけれど、悪いことばかりでもない」。早くも、その境地。こちらが心配するほど身も心も”タテジマ”に染まりきっている。(デイリースポーツ特約記者・小林利行)

 ◆トレバー・レイチュラ 1975年6月14日、カナダ・ウィニペグ生まれの42歳。マニトバ大教育学部卒。1998年沖縄に初来日、現在は芦屋市在住。漢検3級、日本語能力試験N1級。183センチ、83キロ。左投右打。血液型A。妻と息子2人の4人家族。

関連ニュース

ライフ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス