高機能5本指ソックス、人気の理由 神戸生まれ

 5本指のソックスなんて「ちょっと格好悪いし、どうもなあ」と思っているそこのアナタ、それは間違い。履くと思った以上のグリップ感があり、実に快適だ。そんななか、最近アスリートを中心に評判になっているのが“神戸生まれ”の高機能5本指ソックス「TAIKAN core」。人気の裏側に迫ってみた。

 履くだけで歩き方が変わる、と評判の高機能5本指ソックスを販売しているのは、昨年12月8日に神戸市中央区に設立された株式会社「桜羅コーポレーション」。代表の宮元紀昌さん(36)はテレビドラマ「陸王」の主人公ほどの波乱万丈さはないものの、塾の講師、飲食店のコンサルタント、スポーツマウスピースを扱う会社を経て、現在に至る。

 「前の会社で歯のかみあわせを勉強していた際に、浮き指が原因のひとつと言われたのがそもそもの始まり。浮き指を改善しようとするなかでソックスにたどりついたわけです。そのとき、アシックスの本社があることも意識して神戸に設立しました」

 “浮き指”とは立ったり、歩いたりする際に足の指が浮いている状態のことをいい、肩こり、腰痛はもちろん、自律神経失調症やうつの隠れた原因にもなるなど、いいことは何ひとつない。そこで宮元さんは足の専門家に聞いて回り、日々研究。「上手な身体の使い方」などの著者がある第一人者のひとりでもある渡會公治さんを顧問にも迎えた。

 ポイントは編み方を工夫し足裏に縦に2つ、横にひとつの計3つのアーチをつくり、最終的に指を下に向かせること。Jリーガーを目指していたこともある宮元さんはある日、自分のアイデアを取り入れた5本指ソックスを履き、久々に出場したサッカーの試合で、その効果を実感。自信を深めたという。

 「いつもなら倒されそうな場面で不思議と踏ん張れた。しかも、久々なのに。そのとき、小指を使えたのが大きいと思った」

 このソックスは指の股の部分を“立体編み”にしているのが大きな特徴。八風というツボも刺激し、血流がよくなる。実際、大地をつかむ感覚が鋭くなることから野球、ゴルフを体験した現場から「球速が上がった」「飛距離が伸びた」などの声が届いているという。陸上から転向し、女子ラグビー日本代表の寺田明日香も「手術してから右足のバランスが何となく悪かったんですが、この靴下だと指の感覚を良くしてくれるから助かってます」と話す。

 種類はロング(3500円)とショート(3000円)があり、色は黒、白、青があり、サイズはS(21~23センチ)、M(23~25センチ)、L(25~27センチ)。形状を記憶するアモッサという糸で編まれており「履けば履くほどなじんでくる」高機能5本指ソックスが生活改善の心強い味方になってくれそうだ。(デイリースポーツ特約記者・小林利行)

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