1万5000円の伊勢エビが2000円?大阪・天満で話題の“超ごちそうセリ市”

 居酒屋の激戦区と言われる大阪・天満界隈でひときわ異彩を放っているのが海鮮居酒屋「天満産直市場」だ。『産地とお客様をつなぐ』をモットーに今年7月で5周年。300種類以上のメニュー、焼酎・日本酒35種類という充実のラインナップに加え、伊勢エビ、イクラ、アワビなどの高級食材を安価で競り落とす“超ごちそうセリ市”が反響を呼んでいる。

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 今回訪ねた「天満産直市場」は活気に溢れた天五商店街の通り沿い、章美堂ビルの2階にあった。目印は1階にある100円ショップのダイソー、隣はお寿司の春駒南店というロケーション。階段を上がり店内に入ると、左右に細長く分かれ、カウンター席に小上がりのお座敷や個室、テーブル席が広がっていた。目に飛び込んできたのはこれでもか、というほど壁一面に貼られたメニューの数々。手書きして、コーティング。これらは全て加藤竜志オーナーの手作りだという。大漁旗や温かみのある室内灯が昭和レトロな空間を演出しており、ここにも店側のこだわりが感じられた。

 「新鮮なものを安く。もちろん、味にも自信ありますよ」

 聞けば、料理は300種類以上、アルコール類もビールに日本酒、さらに焼酎も芋をはじめ、麦、泡盛など35種類以上を用意。毎日違う銘柄を仕入れており、お気に入りを見つけたらその場でボトルをキープするのもいいかもしれない。ランチもやっており、ウニ、イクラなどがドドーンと乗った漁師の大漁北海丼(1700円)、漁師のこぼれ海鮮丼(1000円)は1日5食限定とあって早いもの勝ちだ。

 だが、激戦区で評判になっている理由はやはり、これだけではなかった。自由参加型の割り引きゲームやハッシュタグをつけてのインスタ割り。毎週土曜日には出血前提のセリ市を実施。さらに年に数回、そのスペシャル版として高級食材を対象にした”超ごちそうセリ市”を開催している。

 訪ねた日はちょうど、その日。芸人の福人(ふくんちゅ)とグリフポール時本の息の合った掛け合いのなか、食と笑いの手作りエンターテインメントショーは夜8時にスタートした。何が出てくるのか。お客さんはカウンター前へ大移動し、待ちきれない様子だ。

 出ました。まずは北海道産のイクラ5000円相当から。お代は100円から始まり120円、122円と大阪らしい進み方。最終的には2000円で競り落とされた。お次は長崎県産の形のいいアワビ2個。8000円相当だそうだが、これは2200円なりと信じられない展開。続く1万円相当の長崎県産本マグロのかたまりは3000円で落札、同じく1万円相当の宮崎牛サーロイン400グラムも3000円で競り落とされた。

 クライマックスは相場1万5000円の伊勢エビ。これも4000円で落札された後、2人の芸人の粋な計らいで、何と半額になった。もちろん、競り落とした食材は腕の立つ料理人がさばいて、調理してくれる。

 「はい。そらもちろん、赤字です」と何とも太っ腹な加藤オーナー。人気なのも当然か。“超ごちそうセリ市”の次回開催はここだけの話、5周年となる7月初旬が濃厚のようだ。(デイリースポーツ特約記者・小林 利行)

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