グリコ看板に続く大阪の新シンボル!?大ぴちょんくん
今から2年前の3月、大阪・梅田のビル屋上に、水滴の形をした巨大な「顔」が現れた。名前は「大ぴちょんくん」。空調メーカー・ダイキン工業の人気キャラクター「ぴちょんくん」が、街行く人に空気の快適性を知らせるため、大きな立体看板になって降り立ったのだ。
看板がよく見えるJR大阪駅をはじめ、梅田ではすっかり顔なじみの存在となって親しまれている。このたび、2周年を記念して、新大阪駅前の看板もリニューアルした。
看板の高さは約13メートル。ぴちょんくんの本来の顔(約11センチ)と比べると、100倍以上にもなる。持ち前の愛らしさはそのままに、存在感を発揮している。
夜にはLEDでまぶしく輝き、さまざまな色に変化しながら、丸い目をキョロキョロさせたりウインクしたり。時々、「おはよう!」「Welcome to Osaka!」などと、文字盤を通じてフレンドリーに話しかけてくれる。
新しい看板設置のプロジェクトが始まったのは2010年。大きさ、構造、表現方法など、他に類を見ない看板を実現するためには多くの課題があったが、試行錯誤を重ね、約5年半をかけて完成した。
プロジェクトリーダーを務めた豊田綾子さん(同社総務部広報宣伝グループ)は、「『空気の専門家』として、目に見えない空気に関心を持っていただきたいと考えています。看板に表示する空気の情報を、生活に少しでも役立てていただければうれしいです」と話す。
温度や湿度、気象情報などの表示は、看板に内蔵された百葉箱や日本気象協会のデータがもとになっている。「るんるんブルー」などの全9色と擬音語は、独自に開発したシステム「ダイキン空気感インフォメーション」から、九つに分類した空気の特徴をイメージして作られた。
2017年度は「ひえひえネイビー」と「ひたひたパープル」の出現回数が多かった。また、7月と8月は「じりじりレッド」の回数が2016年度を上回った。年間を通して気温の低い日が多く、その分、夏の暑さが際立っていたことになる。
熱中症や乾燥などの危険度が高い時は、頭に汗をかいたりひび割れたりするアニメーションで注意を促すことも。今の時期は、涙目にマスク姿で花粉情報を教えてくれている。
他にも、季節に合わせ、サングラスをかけたり、ハロウィーンやクリスマスの仮装をしたり、特別な仕掛けがたくさん。春本番には桜バージョンをお楽しみに。
目標は、道頓堀のグリコの看板みたいに、たくさんの人に愛される存在になることだ。大ぴちょんくんの活躍ぶりは、看板とリアルタイムで連動しているウェブサイト「ぴちょんくんNOW」でも見ることができる。
新大阪の看板では、大型LEDビジョンに大ぴちょんくんを映し出し、現地の空気感を伝えていく。空気に関するより詳しい情報や、大ぴちょんくんの色の種類なども紹介されるので、梅田の看板とはまた違った充実ぶりを見せてくれそうだ。(デイリースポーツ特約記者・福岡 桃)