一番うまい日本酒はどれだ?話題の酒-1グランプリに潜入

グランプリに輝いた京都・齊藤酒造「英勲」の蔵人(左)は満面の笑みで表彰状を受け取る
2部制で各500名が入場。会場内は試飲を楽しむ人であふれかえった
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 酒造りの神様である松尾大社(京都市西京区)。去る4月15日、その敷地内で「第5回 酒-1グランプリ」(主催・松尾大社 酒-1グランプリ(R)実行委員会)が開催された。今回の出品蔵元は過去最高の50蔵。参加者は全国各地の蔵の酒を計120種類以上も試飲できる。その後、気に入った酒蔵に1票を投じてグランプリを決めるという方式だ。

 参加者投票を行う理由について実行委員の糟野尚紀さんは「日本酒愛好家のみならず、若い女性を中心とした層にもお祭り気分で気軽に参加していただきたかった。そして、好みの酒蔵を見つけるという新たな楽しみによって、日本酒への親しみをより一層感じてほしかった」と話す。

 実際、会場は半数以上が女性であふれ、若者の姿も多数見られた。端のブースから順番に飲んでいったり、気になる蔵のブースへ真っ先に向かったり、参加者は思い思いに酒を楽しみ、会場は大いに盛り上がった。

 投票の結果、「英勲」醸造元の齊藤酒造株式会社(京都府)がグランプリに輝いた。2位は僅差で「くどき上手」醸造元の亀の井酒造株式会社(山形県)、3位は「赤武」醸造元の赤武酒造株式会社(岩手県)、4位は「文佳人」醸造元の株式会社アリサワ(高知県)、5位は「紀土」醸造元の平和酒造株式会社(和歌山県)。それぞれ選ばれた蔵名が呼び上げられるたびに参加者からは大きな拍手と歓声が起こった。

 今回は完全入れ替えの2部制で各500名が参加した。一度に多数の酒を味わえて“造り手”と触れ合うこともできる試飲イベントは、ここ数年人気で全国どこでも大盛況。特に女性や若者の参加者が増えたことについて、糟野さんは「日本酒の新たな飲み手が育ってきている」と手応えを感じられたという。

 ただ、その分、安全対策には一層力を入れる。同イベントでは泥酔者が出るのを極力防ぐために、入場時に1本ずつペットボトルの水を配り「水を飲みながらお酒を楽しむように」と何度もアナウンスで呼びかけた。

 「ブームでは終わらせず、各蔵元が日々研さんして素晴らしい日本酒を造っていることを、このようなイベントを通してきちんと飲み手に伝えていきたい」。そんな実行委員会の思いが込められた酒-グランプリ。日本酒に興味がなかった人も、来年は参加してみてはいかがだろうか。あなた好みの酒が見つかるかもしれない。(デイリースポーツ特約記者・山王かおり)

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