女子テニス界に“メガネ先輩”がいた!?23歳・加治遥 世界ランク上昇中
今年2月に行われた平昌冬季五輪、カーリング女子の韓国代表、金恩貞(キム・ウンジョン)を覚えているだろうか。日本との好勝負や銀メダルに輝いた実力に加え、印象的な眼鏡姿と「メガネ先輩」の愛称でも注目を集めた。トップアスリートと眼鏡の組み合わせは珍しいが、日本の女子テニス界ホープにも“メガネ先輩”がいた!?
加治遥(島津製作所)はプロ転向2年目の23歳。昨年は「富士薬品セイムスウィメンズカップin甲府」で優勝、「全日本選手権」で4強入りするなど、1年間で世界ランキングを622位から321位に急上昇させた。今年1月には同283位に到達。200位台前半が目安とされるグランドスラム予選出場を、当面の目標に据えている。
165センチの長身から繰り出す力強いストローク戦を得意にする加治は2016年、園田学園女子大4年の春から眼鏡を常用している。「最初は違和感がありましたが慣れました。チャームポイントというか、私を知ってもらえるきっかけだと、前向きに捉えています」と笑顔を見せた。
もともと近視でコンタクトレンズを使っていた。ところが、スポーツ専門の目の検査を受けた際、思いがけない診断を受けた。「瞳の左右で動きの捉え方にズレがあって疲れやすいようです」。矯正のため特別なレンズの眼鏡を使用。「劇的な変化は分からないけど、コーチからは『力みが減った』と言われます」と、好調につながっている。
将来的にはグランドスラム本戦や、日本代表の舞台での活躍を夢に抱く加治。先の平昌五輪では、スピードスケート女子の金メダリスト小平奈緒から刺激を受けた。「成績だけでなく発言やふるまいも素晴らしかった。私もいつか、小平さんのように皆に愛され応援される選手になりたいんです」。理想像はレンズ越しにくっきりと見えている。(デイリースポーツ・山本鋼平)