愛犬遺体「土ごと」持ち帰った理由 覚醒剤入手捜査に暴力団担当も…小川泰平氏が指摘
“紀州のドンファン”こと和歌山県田辺市の資産家で酒類販売会社社長、野崎幸助さん(77)が5月24日に自宅で急死し、体内から覚醒剤の成分が検出された事件で、和歌山県警は7日、田辺市内の野崎さん宅の庭に埋葬されていた愛犬の墓を掘り起こし、その遺体を土ごと押収した。5月6日に急死した犬の死因との関連性を調べるためとみられる。
元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏はこの日、デイリースポーツの取材に対し「捜査関係者の話によると、組対(組織犯罪対策課)の捜査員も加わっているとのことで、覚醒剤の入手ルートの解明を急いでいると思われる」と、捜査が核心に入ってきたことを示唆した。
周囲の関係者によると、野崎さんは「イブちゃん」と呼んだ愛犬に遺産の一部を渡すと公言していたというが、この犬は野崎さんが亡くなる18日前に急死。関係者から「もがき苦しんで死んだ」との証言もあった。野崎さんの死因は急性覚醒剤中毒と特定され、犬もその状況から、飼い主の野崎さんと同様、何らかの薬物を口から摂取していた可能性があるとみられている。
「犬が白骨化していれば鑑定は難しい」という専門家の声も一部にあったが、小川氏は「ですから(県警は)遺体の周囲にある土ごと一緒に持っていったのです。(肉や内臓、筋肉の成分が溶け込んだ)周りの土からも鑑定は可能です」と明言。「犬の体内から覚醒剤の成分が発見された場合、第三者の介在が強く考えられることになる。捜査が一歩前進する」と指摘した。
小川氏は「誰かに口に入れられたのか、摂取させられたのか、本人が口に入れたのか。次の焦点はこれが殺人かどうかということになる」と説明。暴力団担当の組対が捜査に加わっていることには「覚醒剤の入手ルートをたどればそこに突き当たるということ」と補足し、入手先を特定することで事件の核心に迫る可能性も示した。