静岡看護師遺棄事件に名古屋闇サイト事件の類似性~出頭は死刑逃れ?小川泰平氏が指摘
5月26日に静岡県浜松市内で29歳の女性看護師が2人組の男に自身の車ごと連れ去られ、6月9日に同県藤枝市内の山中で遺体となって発見された事件で、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は13日、デイリースポーツの取材に対し、「手口が非常に荒っぽく雑で計画性がない。(容疑者が)出頭したことも、こざかしい。減刑を狙っていたのではないか。11年前の事件が思い浮かぶ」と、2007年に名古屋市内で起きた「闇サイト殺人事件」との類似性を指摘した。
小川氏は被害者が遺棄された藤枝市瀬戸ノ谷の山中にある現場を取材した。静岡県警は三重県桑名市内で発見された被害者の車のカーナビゲーションの軌跡から移動経路を捜索し、連れ去られた2週間後、近くに被害者の所持品等が複数発見されたことなどから、深さ20センチの地中に埋められていた遺体が発見された。遺棄現場を訪れた小川氏は「人の気配や車もなく、街灯もない場所ではあるが、道路から10メートルもない地点」と説明した。
女性が連れ去られたスポーツジム駐車場の防犯カメラには2人の男が映っており、40代の男が11日に名古屋市内の警察署に出頭し、女性を連れ去ったと認めたことから、12日に監禁の疑いで逮捕された。さらに20代の男も同じ容疑で逮捕された。また、別の防犯カメラにはこの2人と、もう1人の男が話している姿が映されており、県警は事件に関わった第3の男もいるとみている。
逮捕された2人は「インターネットで知り合い、事件当日初めて会った」と供述しているという。インターネットで知り合った複数の男が、面識のない女性を車で連れ去り殺害するという手口は、当時31歳の女性が3人の男に車に連れ込まれて殺害された07年の闇サイト殺人事件に共通する。同事件では死刑を免れる意図で出頭した男の自供から全員が逮捕され、出頭した男は無期懲役となった。
今回のケースも逮捕は免れないと観念し、減刑狙いで出頭した可能性もその行動から考えられる。