愛犬から覚醒剤成分検出されずも事件性消えず~小川泰平氏「焦点は金、女、覚醒剤」

 “紀州のドン・ファン”こと和歌山県田辺市の資産家で酒類販売会社社長、野崎幸助さん(77)が急性覚醒剤中毒で急死したことを受け、和歌山県警が死因を調べていた野崎さんの愛犬「イブ」の亡骸(なきがら)から覚醒剤成分が検出されなかったことが22日、分かった。真相は混迷の様相を呈してきたが、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏はこの日、デイリースポーツの取材に対して「事件性が消えたわけではない」とし、今後も捜査のポイントが「金、女、覚醒剤」の3点に変わりはないと明言した。

 小川氏は「野崎氏の愛犬イブの体内から覚醒剤成分が検出されていれば、『イブと野崎さんの両方に摂取させることができる者』ということで、事件に関わる人間は限定されてくるが、今回は検出されなかった。ただ、検出されなかったからといって事件性が消えたわけではない」と指摘。「警察は引き続き、当初の方針通り、金、女、覚醒剤の3つに絞って捜査を継続させると思われます」と説明した。

 さらに、県警が20日に田辺市内にある野崎さんの会社事務所を家宅捜査した際、帳簿類、伝票を作成していたパソコンデータなどが押収され、金庫も開けられた。また、野崎さんが亡くなる直前、会社口座の金を個人口座に移していたことが関係者の証言で明らかになっている。小川氏は「お金の流れで不審な点がないかを調べ、その突破口を切り開きたいということだろう」と県警側の思惑を推測した。

 野崎さんの22歳妻や60代半ばの家政婦以外にも、複数の女性が自宅に出入りしていたり、野崎さんが東京で他の女性と会っていたことなども明らかになっており、幅広い女性関係の中からも核心に迫ることができるか、注目される。

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