オウム事件の残る6死刑囚も間を置かずに執行か 小川泰平氏が指摘

 地下鉄、松本両サリン事件などオウム真理教による一連の犯行で殺人や殺人未遂などの罪に問われ、死刑が確定した松本智津夫死刑囚=教祖名・麻原彰晃=と教団幹部だった6死刑囚の計7人に対する刑が6日に執行されたことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏はデイリースポーツの取材に対し、「それほど間を置かずに他の6人の死刑囚への刑が執行されるのではないか」と推測した。

 オウム真理教事件で死刑が確定した元教団幹部らは計13人。今回、7死刑囚の刑が執行されたことで、残りは6人となった。

 小川氏は「死刑判決を受けた順ではなく、数多く事件に携わった者から刑が執行されている」と指摘。「東京拘置所には6死刑囚いたが、執行は1日3人が(時間的、物理的にも)限度と思われる」と、東京では松本死刑囚、土谷正実死刑囚、遠藤誠一死刑囚が刑を執行されながら、残る3死刑囚は執行されなかった背景を挙げた。

 これで同事件での死刑囚は東京拘置所に3人、名古屋拘置所に2人、仙台拘置支所に1人と、計6人が残る。同氏は「その6死刑囚に関しても、執行にそれほど間が空くとは思えない」と語った。

 また、今回の死刑執行のタイミングについて、小川氏は「来年、天皇陛下が退位されて平成が終わることや、いろいろな国際情勢を考慮しつつ、共犯の被告の裁判がすべて終了したことを経て、このタイミングになったのではないか」と分析。そうした背景を考えれば、これ以上、次の死刑執行まで時間を引き延ばす理由はないということになる。

 小川氏は1989年11月の坂本堤弁護士一家3人殺害事件の現場をはじめ、山梨県の旧上九一色村や静岡県富士宮市の教団拠点、神奈川県内の関連施設の捜査に携わった。「施設内には至る所に麻原彰晃の写真があり、教祖を崇拝している様子がうかがえた。普通の宗教団体とは違う異様な雰囲気があった。信者は高学歴でまじめな者が多かったが、捜査員に汚い言葉で暴言を吐くなど、異様な印象が残った」と当時の様子を振り返った。

 95年の逮捕から23年。小川氏は「やっと執行された。長かった。一つの時代の区切りを感じる」と、現場で捜査に関わった元警察官として実感を込めた。

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