コンシェルジュにインスタ映え…宝塚で話題の「異色サービスエリア」
南欧風の外観はまるでアウトレットモールだ。中に入ると明るくて開放感のあるエントランス。フードコートにはシャンデリアがつり下がっていて、ショッピングエリアには豪華なドレスも展示。ほほ笑む女性コンシェルジュの姿もある。これ、実は高速道路のサービスエリア。今年3月に高槻~神戸間が全線開通した新名神高速道路の「宝塚北サービスエリア」が今、注目を集めている。
運営するのは光明興業株式会社。パチンコのホール、カフェ、ゴルフ場などを手掛ける大阪の企業だ。そんな会社がなぜSAを運営するのか。同社の広報・神戸渉さんは「お客さまに満足していただくという基本は同じ」と説明する。同社が多業種で培ったノウハウをふんだんにちりばめた運営。これが今までにない「異色のSA」誕生につながった。
キーワードは「宝塚」だった。全国にファンがいる宝塚歌劇団と郷土が輩出した天才漫画家・手塚治虫。宝塚北SAではこの2つが最大限に推されている。
元タカラジェンヌで構成される「宝塚ローズ倶楽部」は9月までの毎月第3日曜にフリーラウンジでOGレビューショーを実施。14時開始にも関わらず朝8時には“おっかけファン”が訪れる人気ぶりだ。
デパ地下をほうふつとさせる土産物売り場の入り口には同団体から貸与された豪華な舞台衣装が展示され、その隣には手塚作品「リボンの騎士」のサファイア像。自慢の品々がインスタ映え間違いなしのフォトスポットを演出する。手塚作品ではないが、宝塚歌劇と関係の深い人気漫画「ベルサイユのばら」のグッズコーナーも充実している。
宝塚歌劇と手塚作品などで醸し出される高級感。フードコートのシャンデリアも「非日常の空間を」とのこだわりから設置された。サービスエリア界では非常に珍しいコンシェルジュ採用は「バス旅行など時間が限られているお客さまにも効率的にSAを楽しんでいただきたい」という心遣いからだという。
高級ホテルのような広々としたトイレ、そしてドッグランまで完備。受付では『つけま』でバッチリおめかしした“ペッパーちゃん”が訪れる人を笑顔にさせている。関東の海老名SA、関西では淡路SAも人気だが「サービスエリアというよりも日本一の商業施設を目指したい」という目標にもうなずける。高速道路走行中はもちろん、一般道からの利用も可能。ドライブ途中の休憩だけじゃもったいない。夏休みを目前に控え、訪れて損のないスポットだ。(デイリースポーツ・弓場伸浩)