徳川慶喜孫・井手久美子氏お別れの会に天皇皇后両陛下ら皇室から供花

井手久美子さんの「お別れの会」に贈られた天皇皇后両陛下の花と供物=千葉県君津市内の圓明院
一般参加者のために置かれた井手久美子さんの遺影=千葉県君津市内の圓明院
天皇皇后両陛下、皇太子同妃両殿下、秋篠宮殿下ら皇室から花や供物が贈られた井手久美子さんの祭壇=千葉県内の圓明院
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 今年6月に自叙伝「徳川おてんば姫」で“作家デビュー”し、7月1日に老衰のため95歳で死去した徳川慶喜の孫・井手久美子さんの「お別れの会」が10日、千葉県君津市内の圓明院で営まれた。祭壇には天皇皇后両陛下から贈られた花や供物が置かれ、読者ら一般参加者も参列した。

 井手さんの祭壇には両陛下をはじめ、皇太子同妃両殿下、秋篠宮殿下ら皇室、芸能界からは歌手の橋幸夫や俳優の竹内力、親交や縁のあった人たちからの花が置かれた。会場では井手さんが生前、大好きだったという、さだまさしの「北の国から」が流れ、式が始まると同時に晴天から大粒の雨が約20分間にわたって降り注いだ。

 参列した、俳優の故安岡力也さんの長男で会社員の力斗さんは「同じ出版社から僕も本を出させていただいた縁があり、昨年、自叙伝の取材に立ち会わせていただきました。『本を作りたい』というご自身の思いを実感しました。せきを切ったようにお話しされて、本当にお元気でした」と故人をしのんだ。

 くしくも安岡力也さんと同じ圓明院に眠ることになった井手さん。力斗さんは「ご本人ももっと長生きされて、みなさんの前で『こういう人生があったのよ』とお話ししたかったんじゃないですかね」と、推し量った。

 喪主を務めた井手さんの長男・純さんは「母は今回の出版をとても喜んでいました。最期は眠るように息を引き取り、天寿を全うしました。幸せだったと思います」と、人生の最後に自叙伝出版という夢をかなえた母の労をねぎらっていた。

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