看護師への思い強かった久保木容疑者の過去…真の犯行動機は別!?小川泰平氏が指摘
横浜市神奈川区の大口病院(現・横浜はじめ病院)で2016年9月に入院患者2人が相次いで中毒死した事件で、うち1人の男性(当時88)を殺害したとして、同病院の元看護師・久保木愛弓容疑者(31)が7日に殺人容疑で神奈川県警に逮捕されたことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は12日、デイリースポーツの取材に「動機の解明が最重要課題」と指摘した。
小川氏は、現時点で報じられている久保木容疑者の動機について違和感を示した。「自分の勤務時間に患者が亡くなると家族への説明が面倒で嫌だった」という供述が報じられているが、小川氏は「大口病院は終末期医療中心の病院。『家族への説明が面倒』というのなら、患者さんが亡くなるケースがあまりない他の病院に移ることもできたはず。“真の犯行動機”が必ずあるはず」と明言した。
その背景には久保木容疑者が10代の頃から抱いていた「看護師という職業」への思いがあったのではないかという。小川氏は同容疑者の出身地である神奈川県伊勢原市などでの周辺取材を通して、その過去を聞いた。
小川氏は「久保木容疑者は福祉に力を入れている高校に入り、老人ホームに研修に行った際に看護師の姿を見て『看護師になりたいと思った』と聞いています。志望した看護学校には落ちたが、諦めずに他の看護学校に合格したように、その意志は強かったと思われます」と職業意識を持っていたと指摘した。
そこから、そういう人物が自分の仕事に「面倒」という思いを抱くかという疑問点が浮上。同氏は「大口病院では1年あまり勤務していますが、当初から点滴に消毒液を混入していたわけではなかった。勤務中に“何か”があったと思われる。その“何か”が真の動機につながるのではないか」と分析した。