G・カブキが伝授“絶品”枝豆のゆで方 時間を気にせず味見が大事
暑気払いに冷たいビールとくれば、なくてはならないのが「枝豆」だ。ヤフー検索の調べによると、今の時期にその関連ワードを検索するユーザーが増えるという。居酒屋や家庭の食卓に上がる、あまりにもポピュラーな食材だが、塩を振ってゆでるというシンプルさゆえに、奥が深い。都内で居酒屋を開いて今年で20年の節目を迎えた、日本を代表する伝説のプロレスラー、ザ・グレート・カブキにその“奥義”を伝授していただいた。
さっそく、カブキ流「枝豆のゆで方」をご紹介しよう。
「枝の状態で買ってきて、それ(枝豆)を取って、最初に塩もみします。お湯を沸かす時も、鍋に塩をちょっと足す。適当に。それからお湯の中に入れて、ゆでながら1つ豆を取りあげ、水で冷やして味見して、火が通っているかを確認する。中まで火が通ったと思ったら、ザルにあげて、もう1回、塩をバーッと振って混ぜる。それくらいですかね」
ポイントは湯に入れる前段階の「塩もみ」と、ゆでながら味見して火の通りを確認することにある。一般的に枝豆をゆでる時間は「強火で4~5分」とされているが、カブキは「あまり(時間は)計らないですね」という。数字やマニュアルに左右されず、リングと同様、自身の“勝負勘”を信じることだ。
とはいえ、それはマネしようにも、万人が簡単にできるものではない。だいたいの目安となる“ゆで時間”を本人に確認した。
「カップラーメンにお湯を入れて食べられるようになるよりは、少し長いくらいですか?」と尋ねると、カブキは笑顔で「そう、そう」とつぶやいた。つまり「(一般的な)カップラーメン=3分」より少し長くゆでるべし-。そこから枝豆の芯に火が通ったかどうかを確かめる際、くれぐれもヤケドには注意。指の皮の厚さに自信がなければ、箸で鍋から取り出し、水で冷やしてから口に入れる。
物事には“アフター”も大事。ゆでた枝豆をザルにあげた後が肝心だ。カブキは「あげた枝豆に水はかけない」と念押し。時間がない場合は水で冷やすこともありだが、できれば余熱を持った状態から自然に冷めていく過程があるといい。「常温になったら冷蔵庫に入れて、冷たい枝豆を小皿に盛って出します」。記録的な猛暑が続くこの夏、冷えた枝豆を体も欲している。
枝豆を調理していただいたのは、カブキが営む居酒屋「BIG DADDY かぶき うぃず ふぁみりぃ」。東京・飯田橋から現在の小石川に移転してからも常連客のプロレスファンでにぎわう。
カブキは「手を抜く時は枝豆がお通しです」と謙遜して笑うが、そのこだわりは本物だ。夏場は「本日のうまいもん」と題した季節の一品料理として、枝豆を出している。
今年は同店のオープン20周年にして、自身の古希と格闘人生55周年が重なるメモリアルイヤー。枝豆へのこだわりと同様、プロレス愛を持ち続け、今も週5回、厨房(ちゅうぼう)に立ち続ける。(デイリースポーツ・北村泰介)